正しいと思っていたマッチザベイトのスキルが、実は「シーバスが釣れない理由」となっていることも…。そんな初心者が陥りやすい落とし穴を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・出月慎也)
シーバス釣りにマッチザベイトは必要か?
夜にシーバスをルアーで狙う場合、特にマッチザベイトを意識する必要がある。リトリーブスピードが速すぎては、シーバスがルアーを確認する前に見失っている可能性もある。
ベイトのサイズやカラーも調整しながら狙うことで、反応が鈍かったシーバスがすぐに反応し始めるケースも珍しくはない。しかし、「マッチザベイト」だから必ず釣れるとは限らないのが、シーバス釣りの難しさでもある。
マッチザベイトの落とし穴5選
シーバス釣りにはマッチザベイトが欠かせないが、意外な落とし穴もあるため注意が必要だ。
1. 関係ないこともある
例えば、日中にルアーでシーバスを狙う場合、バイブレーションを高速で巻いているとヒットすることがある。実際にシーバスがルアーをエサとして判断するというよりも、「条件反射や攻撃するためにくらい付いている可能性が高い」と言われている。
しかし、「ルアーを見切られないために速巻きが有効でもある」とも言われているため、私たちが予想する以上の条件反射能力がシーバスにはあるのかもしれない。
2. 釣り場で大きくかわる
釣り場を移動すると状況がまったく違うことがある。行きつけのポイントの釣り方が通用しないことも珍しくはない。シーバスには回遊性のある個体と、その釣り場に居付く個体もいる。居付いているシーバスはルアーを見慣れている可能性があるため、簡単に釣り上げることは難しくなる。
隣の釣り場では約10cmのボラがベイトだったから釣れた。だからここでも同じだろう。しかし、実際にルアーを投げても反応がまったくないこともある。釣り場では水深、地形なども異なるため、頻繁にルアーを付けかえたりベイトを常に確認する必要がある。
3. バチがベイトとは限らない
冬から春の間に「バチ抜け」と呼ばれる行動が見られる。釣りエサで有名なイソメなどが産卵を目的に泳ぎ回る。この時期にはバチに似せた専用のルアーが釣果UPに繋がりやすい。しかし、必ずしもバチに似せた細めのルアーがマッチザベイトとは限らない。
とある漁港にシーバスを狙いに行った時のことだ。先にルアーでシーバスを狙っている人が見えたので、話を伺うことにした。バチ専用のルアーで狙うが状況は悪いとのこと。たしかにバチは確認できたが、周りに小型の魚もバチを補食していた。そこでバチではなく小型の魚に合わせたルアーをチョイスすると、すぐにヒットした。この場合、シーバスのマッチザベイトはバチよりも「バチを補食していた小型の魚」ということになる。
4. 定番カラーの落とし穴
ルアーのカラーは時間帯、水の濁りによってかえるべきだと、よく耳にする。たしかに朝マヅメはオレンジ系、夜はレッドヘッドなどが釣れやすい。しかし、キャンディーカラーがさらに釣れやすいこともある。定番のパターンに合わせ過ぎると、もっと反応が良いカラーを見逃す可能性もある。
5. 狙っている層が違う
シーバスは下にいるベイトよりも、自分よりも横や上に泳ぐベイトを補食すると言われている。カニなどの甲殻類を補食することもあるが、やはりボラやコノシロ、落ちアユなどにターゲットを絞ることが多い。また、夜は表層を狙う方が釣れる確率は高くなるため、バイブレーションなどで下層を狙うことも少なくなる。
シーバスの気持ちになろう
シーバスを狙う場合、ルアーでも泳がせ釣りでもシーバスの気持ちになることが大切だ。朝マヅメにボイルしている状況であれば、その中に弱った魚がいれば補食しやすいかもしれない。ベイトがイワシであれば小型のルアーがマッチザベイトとなる可能性も高まる。
そこで反応が悪ければ、動きでアピールして注目を浴びせてみる。ベイトの数が多い中、より自然に注目させることがヒットに繋がる。イメージすることは、マッチザベイトに近づける秘訣とも言える。
<出月慎也/TSURINEWS・WEBライター>