9月1日に解禁し、連日定量早上がりが続いている大原沖のショウサイフグ。10月4日、孝栄丸に乗船し、遊動カットウ仕掛けで21匹を掛けた釣行をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・尾崎大祐)
大原沖でショウサイフグ
大原でのフグ釣りは「カットウ釣り」と呼ばれる、いわゆる「引っ掛け釣り」です。
初めて挑戦した際は、魚を引っ掛けて釣るイメージがうまくできず、手こずりそうな予感ばかりしていたのですが、いざ船に乗って仕掛けを落とし1匹掛けてみると、これはこれですんなり受け入れられ、しっかり釣りになっていると実感。アタリの繊細さといい、乗った時の手ごたえといい、私の中でショウサイフグ釣りはかなり面白い釣り物だと認識しました。
沖釣りの大先輩が、毎年ここで仕立て船を企画してくれることから、私の中で「年に一度のお楽しみ」となりました。
そして、外房の釣り船は朝が早いことで知られていますが、特に大原は「漁師は沖で日の出を迎えなければならない」との言い伝えが存在しているほど。「暗いうちは砂に潜っている」とされるフグ釣りでも、この言い伝えは忠実に守られているので、釣行日は気合で早起きです。
遊導式仕掛けを使用
仕掛けはオモリ30号の遊動式仕掛けを使用。外房は使用オモリが25~30号と、東京湾に比べて重いため、特に遊動式が有利だと考えます。また、固定式に比べてアタリが取りやすく、個人的にとても気に入っている仕掛けです。
ショウサイフグを含むフグ系のアタリはとても小さく、場合によっては全くアタリが分からない場合があるので「空アワセ」をかなりの頻度で入れる「タイム釣り」が一般的です。ところが、遊動式の仕掛けではこれがほぼいらないくらい、食い渋っている時の小さなアタリも取りやすいです。
アナゴ竿を選択
また、カットウ用の竿は一般的に硬めの先調子なのですが、遊動式の仕掛けを使用する際は、アタリが取りやすいよう、やや軟らかめ竿を選ぶようにしています。もちろん、仕掛けの長さ分しっかりアワセを入れられることが大前提です。
なお、フグ竿のような先調子の竿は、穂先が他の竿よりも折れやすい傾向があるので、丁寧に扱うようにしましょう。
ちなみに今回、私は1.2mのアナゴ竿を使用しました。慣れないうちは1.6~1.8mの竿を使うと、アワセがやりやすいかと思います。
釣り方
次にカットウフグの釣り方を紹介します。
ちょい投げもアリ?
釣り場の水深が20~30mとそれほど深くないことから、手巻きの両軸リールが基本ですが、船中では電動リール数人、そしてスピニングリール使用している人も1人居ました。底が砂地ということで、ちょい投げもアリのようです(一部根周りのポイントもあり)。
因みにドラグはガチガチでOK。万が一、トラフグやマダコなどの大物が掛かってもしっかり上げられるように準備をしておきます。
ゼロテンションを保つ
遊動式の仕掛けを使っている場合、「良い反応あるよ、ベタ底で空アワセ入れて」といった、高活性を連想させる船長の指示があった際は、そのまま船長の指示通りでもOKです。もちろん、しっかりアタリを取ってアワセを入れてもOK。
しかし、少し反応が薄れてしまっているような時は、時々アピールのための空アワセを入れる程度で、基本じっくりアタリを待つ方がベター。この時の最大のポイントはゼロテンションをしっかり保つこと。小さいアタリをしっかり感じるにはこれが最も重要です。
アワせ方
アワセは遊動式、固定式で共通で「ハリスの長さ+α(30~40cm)」分。フグをしっかり引っ掛けるイメージで。しっかりアワせたつもりでも、その長さがハリスの長さに足りていないと、せっかく集まったフグを散らしてしまうだけなので、この点は注意が必要です。
また、必要以上に大きなアワセも厳禁。乗らなかった際、群れを散らしてしまう原因になってしまいます。針掛かりすると「ガツン」とか「ズドン」といった、中毒性の高い手ごたえが待っています。ゆっくり一定のテンションを保って巻き上げましょう。
エサのアオヤギは基本3、4個を縫い刺しにします。群れに当たり、入れ掛かりの際は手返し重視で1、2個など、状況に応じて使い分けると良いです。