見た目が可愛いフグですが、ある時は体を二倍ほど大きく膨らませることができます。その「ある時」とはいつなのか?体が膨らむ原理と共に解説します。
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フグの体には○○がない?
また、フグが体を膨らませることが出来るのは、他の魚とは体構造が異なっているからなのです。
普通、魚には内臓を守るために人間と同じように肋骨がしっかりがあります。しかし、フグにはこの肋骨がありません。肋骨があることによって膨張が妨げられてしまうため、フグは進化の過程で肋骨を捨て、その代わりに身を守るために使う【膨張のう】を手に入れたのです。
フグの中にはさらに、膨らむことも捨てた代わりに、皮膚を硬くし、まるで鎧のように進化させたハコフグというサカナもいます。一概に「フグの仲間」と言っても、体中にトゲを身に着けるものや、鎧で身を守るものもいたりと、その進化は多岐にわたり、フグは見た目だけではなく非常にユニークな進化を遂げた生き物と言えるでしょう。
手のひらの上で膨らんだら
釣りや磯遊びでフグを捕まえたとき、手のひらの上で膨らませたことがある人も多いでしょう。
しかし、見た目は可愛いかもしれませんが、フグはその時、呼吸もできず、自分よりもはるかに大きな人間に恐怖し、体を大きくさせていることを忘れてはいけません。
ちょっとだけ観察したらすぐ海に返してあげましょう。お腹を上にして風船のように少し水面に浮いた後、きっと元気に海に帰って行ってくれるでしょう。
<近藤 俊/サカナ研究所>