7月18日、中アジとチヌの釣果が上がっている兵庫・武庫川一文字へ釣行した。苦戦しつつも、落とし込みとサビキ釣りでチヌと中アジを仕留めることができた釣行をレポート。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
武庫川一文字で落とし込み&サビキ
今年の梅雨は長雨に大雨と釣り人泣かせ。天気予報に一喜一憂する日々の中、土曜日の7月18日の天気予報が日中は曇りの予報に転じた。貴重な梅雨の谷間を逃したくないと、水潮・濁り潮は覚悟の上で、中アジが狙え、チヌの2ケタ釣果も出ている兵庫・武庫川一文字への釣行を決めた。
利用したのは武庫川渡船。前日に電話で問い合わせると、アジは早朝と夕方に集中し、サビキは蓄光サビキがいいとのこと。そこで、夕方まではチヌの落とし込み釣り、夕方にサビキ釣りという2本立てで臨むことにした。
当日は中潮で午前中は下げ潮、午後は夕方6時ごろの満潮となる上げ潮で、午後の釣行が吉と判断。午後1時ごろに乗船場に到着し、1時半に私を含めて20人ほどの釣り客を乗せて船は出発した。
タックルとエサ
当日使用したタックルを紹介しよう。
落とし込みタックル
前半のチヌ狙いの落とし込み釣りのタックルは、海面との高低差が小さい内向き中心に探り歩くと決めて、落とし込み専用ロッドは3.6mの短めを選択した。セットする落とし込み専用リールに巻いたラインは、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号。ラインの先には市販の目印仕掛けを接続し、ハリス1.5号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。エサはイ貝を別の場所で採取して持ち込み、ハリ付けは房掛けとした。
サビキタックル
後半は中アジ狙いのサビキ釣りで、サオ下狙いとウキサビキの2種類のタックルを用意した。サオ下狙いのほうは、磯ザオ5号5.4mに、ミチイト4号を巻いた両軸リールをセット。ウキサビキのタックルは、軟らかい投げ釣り用のサオにスピニングリール、ミチイト6号に遠投サビキ用の20号遊動ウキをセットしたものだ。
2種類のタックルに共通するのは、カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式で、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介した点。上下からまきエサをサビキの周りにまとわせて連掛けを狙い、巻き上げの際にはテンションを極力少なくしてバラシを避けるという工夫を施している。サビキは7号バリにハリス1.5号の蓄光スキンサビキをクッションゴムの下にセットするとともに、下カゴのテンビンの先にもフラッシュ仕様の3本バリ飛ばしサビキを接続した。
内向きは濁り潮と浮遊物
船着き場5番に船を着けようとする直前、内向きは濁り潮と流木などの大量の浮遊物というコンディション。不安がよぎり船長に声をかけると「アジは夕方しか回ってこないし、内向きでも外向きでも釣れる」と、わずかに救われそうな話を聞けた。波止に付くと、海上の浮遊物は帯状に長くわたっていたが、潮は流れており、所々浮遊物の切れ目も見えたので、何とかやるしかない。全てのタックルを準備し終えたら、早速前半の落とし込みを開始した。
周囲でチヌが連続ヒット
事前に確認した武庫川渡船の釣果情報では、1ヒロの浅ダナでも釣れているとのこと。そこで探る深さはロッドの長さと同じ3.6mまでと決め、底のタナは捨てて、探り歩く距離重視で西向きに歩を進め、次々とボイントをかえていくことにした。
夕方からの本命のサビキ釣りまでの時間つなぎの釣りとは思ってみたものの、この悪コンディションでは夕マヅメまでは釣れないだろうなと、半ばあきらめ状態でスタートしたが、そんな後ろ向きの気持ちは一瞬で吹っ飛んだ。
夕マヅメを待たずして昼2時過ぎから、内側、沖向きともに、サオを曲げる釣り人が続出した。「え?何これ」と目を疑ったが、ヘチ釣り師も、落とし込み釣り師も、軟調ザオに鳴戸リールというクラッシックスタイルのベテラン師も、次々とチヌを釣り上げる光景は間違いなく現実。釣り人の中の1人に聞くと、「イ貝の房掛けで、タナは2mぐらいでアタった」と親切に教えてくれた。チヌはいっぱいいると気持ちを奮い立たせる。
パワフルな45cm級チヌ剛引
周りの活況に自分も乗り遅れまいと釣り続けるが、なぜか自分にはアタリがない。釣れている人の様子を見ても、自分の釣り方との違いは感じない。テンションをかえたり、落とす速さをかえてみたりと工夫するが、チヌはアタックしてこない。
すると2時半過ぎに、タナ1ヒロでススッと引き込みアタリがあった。アワせ損ねて引き上げてみると、イ貝が割られていた。その時のテンションは緩め。これで攻め方は、テンション緩めで、タナは目印までの浅ダナと絞り込めた。
そして、ついに3時過ぎ、突如としてグッからのズドン!で、今まで経験したことのない強烈なアタックに遭遇!ロッドは一気にのされ、魚は強く底に潜ろうとする。魚の引きは物凄い。それでもロッドワークで耐えに耐え、ようやく海面に浮かせた魚体は重量感に満ちた良型のチヌだ。剛引を制して取り込んだ獲物は、メジャーは手元にないものの、45cm級とおぼしき見事な良型チヌだった。
今回の釣行では中アジだけ持ち帰ろうと予め決めていたので、釣り上げたチヌは写真をとってすぐにリリースした。この後はアタリがなく、夕方4時に落とし込み釣りは終了した。