カヤックフィッシング歴4年の筆者がSUP(スタンドアップパドル)を購入。人生初のSUP釣行記と併せて、カヤックとの比較視点で6つの感想を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・池下洋平)
カヤックとSUPフィッシング6つの違い
初めてSUPフィッシングに挑戦してみて、カヤックフィッシングとは似て非なるものだと感じた。この日の釣りを通じて実感したカヤックフィッシングとの違いなど6つのポイントについて紹介したい。
1.釣り方の違い
カヤックフィッシングは魚探を見ながらターゲットが居そうな場所へ、ピンポイントにルアーを落とす釣りがメインとなるが、SUPフィッシングでは(筆者の場合は)キャスティングをメインに行うので、魚の居そうな場所を広範囲に探る釣りとなる。言わば陸っぱりの延長のようなものなので、ボウズも十分にあり得る。今回は運良く釣れたが…。
2.推進力の違い
推進力はカヤックに軍配。SUPは左右に持ちかえながら漕ぐ上、竿を持つためにはパドルをボード上に置く手間があるので手返しが悪いと感じた。
3.安定性の違い
安定性はカヤックと同じで、幅が広ければ広いほど推進力と引きかえに安定する。
4.動きの自由度の違い
海上での自由度はSUPが勝っている。カヤックだと座りっぱなしで、同じ姿勢のまま身動きが取れないが、SUPだと立ったり座ったり寝そべったりできる。カヤックだと釣りを終えて上陸する際に、膝や腰が痛くなりやすく、実際腰痛が原因で引退される人も居る。その点、SUPは良いと感じた。
5.準備&片付け
準備と片付けは装備が少ない分、SUPの方がちょっぴり楽チン。車載もカヤックに比べると、ちょっぴり軽量なため、コツをつかめば楽になりそう。ただし、インフレイタブルの場合は、空気を入れる準備時間が結構かかるらしい。
6.濡れ方
水に浸かる身体の部分は、SUPが明らかに多い。もちろんカヤックもSUPも沈するリスクと隣合わせなので、水に触れるのを恐れていてはいけない。しかし、平常時、特に冬場は極力水に触れる部分を少なくしたい。
その点、カヤックは出航時にうまく乗れば脛(すね)くらいまでの浸水で済むが、SUPはフィンが付いているので確実に膝くらいまで海に浸かるので、冬場はドライスーツの着用が必要だろう。
SUPフィッシングの注意点
最後にSUPフィッシングの注意点について。
SUPフィッシングでは、船の引き波などには注意が必要で、横から波を受けるとバランスを崩しやすい。カヤックでも同じだが、立っているSUPの方が危険だと感じた。周囲から目立つようにフラッグを活用することが望ましい。
SUPボードは当たり前だが1枚の板なので、タックルなどをロストするリスクがある。必要に応じてリーシュコードやフロートを取り付ける対策を行うべきだろう。また、カヤックフィッシング同様、ブイなどの漁具には不用意に近づかないようにし、地元の方々と良好な関係を築くことが大切だ。
まとめ
筆者のようにちょっと海に出て「釣れても釣れなくてもいいや」という「手軽にプチオフショア」のコンセプトで行う目的にはSUPは適していると思う。しかし時間をかけてじっくり釣りをしたいなら、カヤックをオススメしたい。SUPは立ってバランスを取りながら釣りをするので、釣りに集中できない時間も多い。
「座ればいいんじゃないか?」という意見はもっともだが、それならなおさらカヤックで良いと思う。筆者は今後もその日の目的によってカヤックとSUPを使い分けていきたいと感じた。
これからカヤックフィッシングやSUPフィッシングを始める方は「周りの誰かが買ったから自分も買う」という衝動買いではなく、自分のスタイルに合わせて慎重に選び、後悔のないよう楽しんでいただきたい。
<池下洋平/TSURINEWS・WEBライター>