夏に最盛期を迎えるスルメイカ釣りは、プラヅノをアクティブに動かして誘う、まさに海の男のスポーツだ。6月23日、大山沖のスルメイカに挑んだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部・五井貴矢)
大進丸スタッフに聞く攻略法
スルメイカは数釣りが楽しめるターゲットだが、腕の差で釣果に大きな開きが出るのも事実。 そこで、今釣行をアシストしてくれた同船スタッフの竹内さんに聞いた「大山沖のスルメイカ攻略術の基本」を紹介していく。
サオの選択
狙う水深は150m前後から300m手前、使用するオモリは200~300号だ。重量級のオモリが着いた仕掛けをシャクるため、サオには強靭さが求められる。高負荷に耐え、かつ、追い乗りしたスルメイカをバラさない粘りを備えた芯の強いものが最適。
長さは1.4~1.8mが主流だが、竹内さんは1.8mの長いタイプを愛用している。 その理由は、ウネリによる上下動をサオのストロークで相殺できるから。足が丈夫なスルメイカの場合、バラシの大半は、ラインテンションの抜けによるものだそうだ。
仕掛けの選択
続いて仕掛け、多数のプラヅノが着いた胴つき仕掛けを使用するが、ミキイトにプラヅノが結ばれた直結型と、短い枝スが着いたブランコ型の2タイプがあり、大山沖の主力は直結型だ。イカが食う都合については一長一短があるが、竹内さんや大進丸の常連の釣り人は「現場での使いやすさ」を重視し、迷わず前者を選ぶ。理由は、仕掛け絡みが少なく、サバに邪魔されることもないから。
人間の視点でイカの都合をあれこれ考えるより、スムーズで確実な投入、トラブルの最少化、外道によるタイムロスを無くすことが好釣果への近道というわけだ。
また、プラヅノの数についても、慣れない人は6本から始め、習熟度に合わせて数を増やしていこう。ベテランになると、ツノが15本着いた仕掛けを使いこなす人もいる。
ちなみに、仕掛けの枝間を自分の腕の長さに合わせ、短く調整するのも有効。仕掛けの回収、イカの取り込みともスムーズに行える。
誘い方(シャクリ方)
そして、誘いの話。シャクリは、サオ先を45度下げた状態から、45度上げた状態までシャクリ上げるのが基本。これを1ストロークとし、シャクリ終えたら、イトが弛まないよう、素早くリールを巻く。 この1ストロークを1回でシャクリ切る場合と、2~3回に分けてシャクる方法がある。それぞれ、2段、3段のシャクリだ。
気をつけるべきは、シャクリの1動作ごとに、一瞬動きを止め、イカが乗る「間」を与えること。
ちなみに、「止め」から次のシャクリに移行する際にサオを下げるが、このとき巻き始めが遅れるとイトが弛み、仕掛けが一瞬沈む。魚類全般に言えることだが、落ちていくものには反応するが、追っていた獲物が、突然自分の方にバックしてくると捕食をためらう。自然界ではあり得ない動きだからだ。
ゆえに、直結仕掛けの釣りでは、メリハリのあるシャクリと止め、瞬発力のある巻き取りを心掛けよう。
アワセと取り込み
最後は、アワセから取り込みまで。重いオモリがぶら下がっているので、サオの先半分でアワセても効果はない。サオの胴でオモリごとグイッと引き寄せるようにアワセる。
狙い通りイカを掛けたら、追い乗りを狙う。大きく誘うとバラシに繋がるし、イカの追跡範囲内で何度もアピールできるよう、小幅な動きでくり返し誘う。アワセは誘いを兼ね、グッと小さく力強く行う。このときも、絶対にイトを弛ませてはいけない。テンションが抜ければ、先に掛かったイカがバレるからだ。
あとは取り込み。全速の3分の2程度でリールを回転させ回収する。途中で回転速度を変化させるのは良くないので、波が高く船の動揺が激しい時は、サオを上下させてウネリを相殺し、手元に掛かる荷重を一定に保とう。 仕掛けが手元に来たら、サオをキーパーにセットし、焦らず、素早く手繰って取り込む。波の高い日は特にスピーディーに行う必要がある。
さて、以上が竹内さんに聞いた攻略術だが、本稿だけですべてを伝えきれないのが非常に残念。攻略術の全貌を知りたい人は、ぜひ同船に足を運んでほしい。