6月4日は休暇をとって神戸・第7防波堤へ釣行してきた。当日はチヌ(クロダイ)を狙った落とし込み釣りを楽しみ、46cmと41cmの本命を仕留めることができたのでリポートしたい。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
釣行は警戒心を持って
緊急事態宣言が解除され、6月1日からは関西圏内の府県またぎの移動も一定の緩和がなされた。阪神間の護岸や波止をフィールドとしていた私にも、ようやく本当の意味での釣りの再開の日が訪れたと、休暇をとって6月4日、神戸・第7防波堤への釣行を決めた。
とはいえ、今までのことが無かったかのような安全で自由な釣行が保証されているわけではない。早くも一部の都市では感染第二波の兆しのような事象も報道されている。釣行には警戒心を持って、いわゆる「3密」を避ける自制的な行動と、感染の可能性に対抗する自己防衛がお互いに求められる。
今回の釣行でも自己防衛対策として、マスク、手指消毒液、薄手のゴム手袋、アルコールティッシュなどを持参した。これから蒸し暑くなる時期でもあり、最初から最後まで1枚のマスクで通すのは衛生面でも好ましくない。マスクは交換用に数枚持参することを是非おすすめしたい。
回遊魚大フィーバーで深夜の出船
5月下旬から大阪湾の各地では回遊魚の大フィーバー。特に70cmオーバーのサワラが近年にない釣れ具合で、ハマチも狙える活況ぶり。回遊魚は夜明けから朝8時ごろまでの短時間勝負とあって、それまでに釣り座を構えていなければならないと、ルアーマンを中心とした釣り人たちの行動時刻も早朝から深夜未明へと前倒しになっていく。
一方でコロナ対策として3密を避けるべく、渡船の乗船密度を下げる必要性も重なって、出船時刻は特別ダイヤ編成、しかも繰り上げ出船は当たり前。
今回利用した松村渡船は、コロナ対策をいち早くホームページで公開し、釣り客にも協力を促していたが、6月4日の当日も、釣り客が25人ほど集まった時点で松村船長が始発便の繰り上げ出船を決断。25分前倒しの0時35分に出船した。
本来は最沖の波止行き限定の便だったが、船長の判断で7防赤灯台行きの私も同船することができた。釣り客は全員マスクを着用し、座る場所は少しでも人同士が集まらないようにとスタッフが誘導するなど、コロナ対策が実践されていた。
渡船店は松村渡船のほか数軒あるが、出船場所や出船時間が随時変動するので、各店のホームページなどで釣行前に要確認。乗船時には救命胴衣の着用のこと。
落とし込みのエサとタックル
当日は落とし込み釣りでのチヌ狙い。タックルは、落とし込み専用ザオ3.9mとリールに、ストライプカラーの落とし込み・ヘチ専用の2号ライン。ラインの先には市販の目印仕掛けとハリスは1.7号を直結する。ハリスは硬めのものがいい。ハリはチヌバリ3号で、チモトにはガン玉2Bをかませる。
エサはイ貝と岩ガニを用意した。去年と違い今年は、波止の壁面のイ貝の着生はまずまずの状況で、梅雨明け後の7月末までは、イ貝を主力のエサと理解してよさそうだ。
変貌を遂げる7防
人気が集中する最沖の波止をよそに、7防に渡ったのは始発便では私1人。最終的には午前中全体で7人にとどまり、落とし込みのスペースは十分にあると喜びたかったところだが、そこに暗い影を落とすかのように、7防は変貌を遂げていた。
7防は六甲アイランド沖に位置する東西約4.5kmの長大な防波堤だが、中央部を埋め立てて人工島にする阪神港神戸第6区アイランド沖建設工事が進められており、西側赤灯台には工作物が設置され、東方向を臨むと釣り人がカーブと呼ぶ箇所の沖には長大なフロートフェンスが設置されるなど、釣り可能なエリアは、実質的には西側の一部のエリアに狭まっていた。
今後の工事の進捗によっては、潮流への影響も予想され、釣り人にとっては残念な状況にはなりつつあるが、あくまでも管理下にある公共物としての防波堤で釣りをさせてもらっているという自覚を常に持って、マナーを守りながら限られた範囲での釣りを今後も楽しみたい。
落とし込み、ヘチ釣りは沖向き、内向きの両方がフィールドだが、沖向きは海面からの高さが6m近くあり、足場が非常に悪い。武庫川一文字のような沖向きに上がる梯子もないので、安全面には特に注意が必要だ。内向きは幅が広くて足場がよく、根魚狙いやサビキ釣りにも適しているが、満潮時や大型船の航行時には潮が足元までかぶってくる場合もあり、荷物の置き場を含めて、足元と潮位の様子に気を配る必要がある。