【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙う

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙う

数年前のブームで、一気に知名度を上げたアカムツ。その身は上品な脂とうま味にあふれ、40cm前後以上のサイズになると、キロ当たり数千~1万円の値がつく超高級魚だ。

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オモリとミチイトについて

この釣りにおいて、大進丸が推奨しているオモリは200号と250号。潮次第ではこれ以上の重さのものが必要な場合もあるが、重すぎるとアタリが分からなくなり、体力ばかり消耗して、釣りの醍醐味が失われてしまう。そこで、両方のバランスを鑑み、オモリの重さは前述の範囲にしている。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙うクロムツは嬉しいゲスト(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ここで避けてほしいのが、「200~250号だから、どっちかあればいいや」と妥協すること。潮流の影響で、意図したスポットに仕掛けを送り込めなくなるばかりか、同船者とのオマツリが多発することになる。手返しに時間を要する釣りのため、オマツリによるタイムロスは致命的。自分だけならまだしも、同船者に犠牲を強いるようなことは絶対に避けたい。

続いては、ミチイトの話。太さはPE3号、リールに巻く量は500~600mが原則。ポイントの水深はおおむね300m以内だが、潮流でイトがなびくことや、ミチイトを大きくロスした場合を考えると、前述の巻き量が必須となる。安い買い物ではないが、ミチイトをケチったせいで途中で釣りが不能になり、船代を棒に振るようなことになったら、まさに本末転倒だ。

仕掛けについて

当海域で使用するのは胴つき仕掛け。詳細は図を参考に、このような仕様の市販品を購入するか、自作されたい。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙うタックル例(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

ハリス(枝ス)やミキイトの太さについては、ほとんど光が届かない深い海の釣りなので、魚からの可視性を気にする必要はない。

また、沖釣り全般に言えることだが、ハリスとミキイトの太さの差が大きいほど、仕掛け絡みが少なく、ハリスが短いほどアタリを捉えやすい。ただし、ミキイトが太いほど潮に流されやすく、ハリスは短いほどクッション性が減り、バラシのリスクが高くなる。それぞれメリットとデメリットがあるが、基本の仕様と大きく異ならない範囲で、状況を見て仕掛けを使い分けるのがベストではないだろうか。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙うアヤメカサゴも美味しいゲストだ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

なお、チモトに施すアクセサリー類は、マシュマロボールという名の金平糖のような集魚玉のほか、夜光のカラーパイプを2cm前後の長さに切って、チモトに設置する。真っ暗な海の中で高いアピール力を発揮するが、深海ザメやクロシビカマス(鋭い歯で仕掛けを切る)が多いときなどは、集魚玉などの使用を控える場合もある。

タックルについて

近年は、中深海専用のサオが各社から発売されているが、同海域での釣りにマッチするのが、250号のオモリを快適に背負える胴調子(6:4)のもの。長さは1.8~2.4m程度が適合する。手持ちザオで釣るので、短いほど体への負担が少なく、アタリも感じやすい。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙うサオは手持ちが原則(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

一方で、長い方が誘いのメリハリをつけやすく、サオがウネリを吸収するので、仕掛けを安定させたり、バラシを抑制する効果が高い。まずは、扱いやすい短めのものでスタートし、満足いかないようなら、長めのものを追加でそろえ、以後は状況に合わせて使い分けていこう。

釣り方について

およそ300m先の目標に、仕掛けを正確に着弾させる必要があるため、投入は船長の指示に合わせ即時行うこと。また、オモリに引かれた仕掛けが、スムーズに飛び出していくよう、船ベリにハリを並べ、ハリスやミキイトも出ていく方向を考慮して、前もって整列させておこう。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙う投入前に枝スを整列させておく(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

エサは、サバの切り身とホタルイカのコンビを、チョン掛けするのが基本。ホタルイカは1匹掛け、サバの切り身は長さ8cm前後、幅は1.5~2cm。身が厚ければ身側を削ぎ落とし、ヒラヒラするようにする。

投入後、オモリが着底したらイトフケを取り、時折サオをゆっくり上下させて誘いを入れる。基本的に底を狙うが、海底には起伏があるので、それに合わせてオモリが底よりほんの少し上をキープするよう、イトを巻いたり送ったりして調整する。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙うゆっくりサオを上下させ誘う(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

なお、アカムツは上バリに食ってくることもあるが、これは中層に浮いているというより、起伏の頂点付近にいたものが、横方向に飛び出して食っている可能性が高いというのが、相川船長の談。そのため、上バリに食ったからといって、タナを上げる必要はない。必ず群れでいる魚なので、1匹アタったらゆっくりリールを巻き、付近にいるアカムツの追い食いを狙おう。

【東海2020】アカムツ船釣り初心者入門 アワセ不要で多点掛けを狙うヒット後はサオを立てず負荷を胴に乗せる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

アタリの出方は、クロムツやユメカサゴと比べると鋭く明確。また向こうアワセの釣りなので、アワセは不要。アワせるとハリ穴を広げてしまい、バラシを招くので注意すること。

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