春はマダイの乗っ込みシーズン。美しい良型マダイをゲットするのに最も適した季節の到来である。そこで今週のつり作戦は、オキアミをエサにテンビンを使って狙うコマセ釣りのあれこれを、海釣りのエキスパート・今井浩次さんに解説してもらった。難しいイメージのあるマダイだが、この時期は初心者でも釣果有望!ぜひ本稿を参考に、マダイ釣りに挑戦しよう!
コマセマダイ釣りのタックルについて
鹿児島県の錦江湾で早々とマダイの乗っ込みが始まった。
北上するサクラ前線を追いかけるかのように、間もなく近畿地方でも乗っ込みが始まるはずだ。
そこで、初心者でも大ダイの引きが味わえる、オキアミのエサを使ったコマセマダイ釣りを紹介してみよう。
コマセマダイ釣りが盛んな中紀から紀南地方では、アンカーを入れ、船を止めて釣ることが多いので、速い潮に流されないために80~100号といった大きなオモリを使うことが多い。
このような大きなオモリを付けた道具を手持ちザオで一日中釣り続けるのはしんどいため、サオ受けにサオを預けたままアタリを待つ置きザオの釣りが盛んなのだ。
【竿について】
このような置きザオ釣法では、サオが先調子だったり腰が硬すぎたりすると、波で船が揺れるたびにその動きが仕掛けにまで伝わり、エサが落ち着かないためマダイの食いが悪い。
その点、マダイ専用ザオは腰が軟らかい6対4調子やムーチング調子に仕上げられているので、船が少々揺れても仕掛けがピンピン跳ねたりしないし、せっかくマダイが食ってきたのに、サオが硬いために食い込みが悪く途中で放してしまうといったことが少ないのが特長だ。
マダイ専用ザオは、長さが2.5~3.6mぐらいまであるが、取り回しがいい2.5m前後のサオは手持ちで釣るときや波が穏やかなときにお勧めだ。
3m以上の長ザオを使うメリットは、波が高くて船がよく揺れるときでも、サオの軟らかさである程度揺れを吸収してくれるのと、いきなりメジロなどの青物や大ダイが食ってきたときでも、サオの弾力で強い引きをかわすことができるため、バラシが少ないことだ。
このような諸条件を考えると、長さは3mで100号程度のオモリが掛けられるM(ミディアム)かML(ミディアムライト)の硬さのサオを選んでおくことだ。
【リール】
大きなオモリが付いた仕掛けを何度も上げ下ろしするので、リールは手巻きよりも電動リールがお勧めだ。
最近の電動リールは小型でコンパクトになったが馬力もアップしているので、小型でもマダイ釣りには十分使える。
3~4号のPEラインが最低150m以上巻ける大きさで、ギア比は1対5ぐらい。
ときにはうれしいゲスト、メジロやシオ(カンパチの若魚)が食ってくることもあるので、ドラグ性能のいいものを選んでおきたい。
【テンビンとまきエサ】
ミチイトの先にはL型か半月型のテンビンを付ける。
テンビンが小さ過ぎると仕掛けを落とし込むときにハリスがミチイトやテンビンによく絡むので、腕の長さが最低50cm以上あるものを選んでおこう。
テンビンにまきエサカゴを付け、その下にオモリをセットする。
大きなまきエサカゴを使って頻繁に打ち返し、大量のエサをまきながら釣る人もいるが、この釣り方は青物には効果があってもマダイ釣りでは疑問符がつく。
青物は口から溢れるほどまきエサをむさぼり食うが、マダイはある程度まきエサを食ってお腹が大きくなったら、そのあとはあまり口を使わなくなるのだ。
だから、効果的なまきエサの方法は、少しずつ切らさず絶やさずというまき方が正解なのだ。
【ハリスについて】
テンビンの先に太さ2mmか2.5mmで長さ50cmのクッションゴムを付け、その先にハリスを直結する。
ハリスの長さは4ヒロ前後、太さは4~5号が標準で、青物が多いポイントや70cmオーバーの大ダイが出るような場所では、6号にしておくと安心だ。
これで道具の準備は万全だ。