神戸・和田防は早くも春のシーズンインなのか連日好釣果の情報。私も3月7日、期待感を胸に釣行。エビまき釣りは不発も、後半の投げサビキ釣りで大サバ4匹をものにし、ほくほくの一日となった。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
大サバ第一波が到来
10時過ぎに波止の東側に移動すると、投げサビキ釣りの常連たちが並んでいた。釣れている様子はないが、こちらの常連たちは意外にものんびりムード。
「アジが回ってこないのは、サバが入ってきて追ってるからやで」と、頭の中では群れの到来が計算に入っているようだ。空いている場所を見つけて私も釣り座を構え、タックルの準備にかかろうかとしていた矢先「来たっ!」との声が・・・。
見ると1人の釣り人が大きくサオを曲げている。サオ先はグングン引っ張られていて、大物の予感。すると釣り人の表情が困り顔にかわった。魚はしっかり掛かっているのになぜ?と一瞬思ったが、ほどなくしてその答えが明らかに。
「おー、3匹も付いとるでえ」と常連が声をあげた。波止際に寄せて来たのは、何と大サバ3連。掛けた釣り人のサオが細目なので、抜き上げられないのだ。そこで私がタモを持って助太刀に。
周りが見守る中、下2匹のタモ入れに成功してアシスト。無事3匹を手にした釣り人から感謝され、私も嬉しい気持ちになった。
話を聞くと、投点は波止から内向きに30m以上の遠投で、タナは5ヒロ超と海底近く。サビキを見せてもらうと白スキンの太糸サビキだった。大サバ到来のこの第1波に乗ることは残念ながらできなかったが、この釣り人から、この後の私の釣果につながる大きなヒントを貰えた。
キーワードは「マイクロベイト」
実は釣行前に私は、とある所から貴重な情報を手に入れていた。「今の時期のシーバスはマイクロベイト(イワシなどの稚魚)やバチ(イソメ類などの幼生)などソフト系のものを食べている」という趣旨のもので、今回の釣行では大サバにも当てはまると私は考えていた。
先ほど大サバ3連を仕留めた釣り人のサビキを見て、この日の大サバ攻略のキーワードはマイクロベイトだと確信し、白スキンの太糸サビキと、秘密兵器の投入を決めた。
その秘密兵器とは、稚魚に似せた2cmぐらいのソフトワーム。これをアクセントとしてサビキの3か所に付けて、白スキンとともに大サバにマイクロベイトの存在をアピールする作戦だ。
タックルは4.2mの投げ釣り用ザオにミチイト5号を巻いたスピニングリール、大サバ狙いなので飛ばしウキは中通しのフロートウキ20号を選択した。まきエカゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介した。
下カゴはテンビンにセットし、テンビンの先にも色めの大人しいハリス3号のスキンサビキをセットした。なお、後の話になるが、釣れた大サバの内臓処理をした過程で、腹の中から1cm余りの稚魚が数匹出てきたのを見て、大サバはやはりマイクロベイトに付いていたことを確認している。
大サバ第2波でゲット
私も周りの釣り人も、大サバ狙いに本腰をあげた。すると10時40分ごろ、少し離れた所で大サバが上がった。第2波の到来だ。次々とサオが曲がり、大サバが波止に抜き上げられる。そして私にも、巻き上げの途中でヒット。
ググッと強い引きにも太仕掛け、タックルの私には心配無用。海面からの抜き上げだけ慎重にして、見事な大サバを無事捕獲。秘密兵器のソフトワームを付けたハリに掛っていたので、狙いが当たったようだ。
サバは鮮度が命。エラからナイフを入れて即締めし、血抜きを兼ねてビニールバケツにいったん入れておくことにした。周辺の多くの釣り人が大サバを手にすることができたようで、波止は一気に活気づいた。
第3波で当日最大39cm
その後しばらくアタリが止まってしまったので、先ほどビニールバケツに入れておいた大サバの内臓処理を始めたところ、「ガガッ」という物音が聞こえた。
目をやると、私の置きザオが大きく引きずられて、ミチイトはピンピンに張っていた。あわててサオを手に取り巻き上げをしようとすると、半端ない強い引き、しかも重い。慎重に巻き上げようとしても巻き取れない。
思い切ってサオのポンピングアクションで巻き上げにかかった。魚の手応えはグングンと伝わってくる。大サバが連で掛かっているようだ。
波止際まで寄せてくると、何と3連。タモを手に取るも、3匹相手では取り込みは至難の業。そこに周りの釣り人からタモ入れの助太刀が入った。さらにもう1人、私の持っていたサオを預かってくれる助っ人も現れ、3人がかりで息を合わせてバラすことなく3匹とも波止へ上げることができた。
何とありがたいことか。助太刀してくれた二人には感謝感激しきり。常連たちからも「ええサバやなあ、太いわあ。こんなん3匹やもんなあ」とお褒めの言葉をいただいた。