前アタリから、エサをしっかりくわえたときに出る力強い本アタリ。そこまでの駆け引きはドキドキにあふれ、アワセが決まったときの力強い引きはマゴチ釣りのだいご味。3月15日(日)に新明丸へ出かけた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・田中義博)
新明丸でマゴチ釣り
受け付けを済ませ、新明利勝船長に話を聞くと「以前は、4月後半から晩秋までの釣りでしたが、ここ数年は通年看板を上げています。年間通して水温が高めに推移しているため、極寒期でも釣りが成立しています。エサが豊富なようで、大型が上がっているので楽しめますよ」とのこと。
新明慶樹船長が舵を握るマゴチ船の右舷胴の間に座って出船を待つ。この日集まったファンは左舷12人、右舷11人。7時半、定刻通り出船。約40分で、第一海堡北側の釣り場に到着。
エサはサイマキ。頭のケンを折り、口からハリ先を入れ、ケンの根元部にハリ先が収まるよう装餌。後部のヒレがしっかりと動いていれば成功だが、弱っていたら新しいものに替える。
海底スレスレのタナの取り方
エサ→オモリの順に投入。水深16mで、船は潮流と風に押され、左舷トモ方向へとゆっくり流されている。この場所は底が平坦で水深変化が少ないが、タナの取り直しが誘いにもなるため、30秒に1回のペースでタナを取り直す。マゴチは底にいる魚で、上目づかいでエサを見ているため、エサが海底スレスレを漂うイメージを持つことが重要。タナを取る方法は主に以下の2つ。
(1)潮流などを加味して、オモリ着底後にミチイトのマーカーを見てハリス分前後リールを巻く。
(2)着底後にイトフケを取りながら竿先が海面の位置にくるまで巻き取り竿を海面と平行になる位置まで上げて、海面から船縁までの高さ分、オモリが底を切った状態にする。
底の起伏があっても常に同じ高さにエサをキープできることに加え、前アタリがあれば、海面までの幅で竿先を送り込むことが可能なので、(2)を推奨する人が多い。
2流し目で48cm本命マゴチ浮上
最初の流しでは船中アタリなし。2流し目では、潮上の左舷トモ寄りで反応が続き、仲乗りが、タモを持って走り回り45cm前後が次々と姿を見せる。しかし、私の座る右舷側はアタリなし。こんなときこそ、誘いを兼ねたタナの取り直しが重要だ。
同じ動作でタナを取り直していると、グッと竿先を抑えこむ前アタリ。一定のテンションを感じながら、魚の引きが大きくなるのに合わせて竿先を送り込み、ひときわ引き込みが強く大きくなったところで、しっかりとハリが上アゴを貫通するイメージでアワせる。
竿に重さが伝わると同時に、力強く抵抗する。引きを竿でためながらやりとりし、タモ取りしてもらったのは48cm本命。
続々と本命キャッチ
私の左隣は、「マゴチ釣りは初めて」という飯田さん夫妻。最初はエサの扱いやタナの取り直しにも苦労していたが、話しをしていると、佳弘さんにアタリ。素早く仲乗りが横について竿の動きをアドバイス。そして、ここぞというタイミングで竿を力強く立てると見事にフッキングが決まり、本命を取り込んだ。
次の流しでは、奥さんの優子さんにアタリ。再び仲乗りがアドバイスしフッキング成功。佳弘さんと同級を手にし、夫婦そろって笑顔。
潮止まりの時間帯こそ、反応は遠のいたが、船長がその都度、新しいポイントを流したおかげで、ポツポツと本命が姿を見せる。なかでも左舷胴の間の白井さんは、当日同船最大の64cm。
64cm頭に船中好釣果
船長の言葉の通り、この日も大型が船中をにぎわせた。15時に沖上がり。釣果は36~64cm0~8尾。8尾はルアーの人で、エサ釣りでは7尾が竿頭。ゲストにはスズキやヒラメ、タチウオなど。私は、本命2尾に加え2kg級スズキの、力強い引きを堪能した。
これからは狙う釣り場が広がり、夏の最盛期には水深3mといった超浅場で、60cm超えが姿を見せる。ハリ掛かりさせるまでのドキドキと、その後に訪れる力強い引きを味わいに出かけてみてはいかがだろう。
<週刊つりニュース関東版 APC・田中義博/TSURINEWS編>