大人にはあまり関係ないが、そろそろ春休みシーズン。暖かくなり始めて、子どもたちが船釣りに初挑戦するには最適の時期。親子釣行のハウツーを紹介している。本号では実釣で気づいたことをまとめた。
天気予報の確認を入念に
前号で紹介したとおり、子ども(6歳児)の初めての船釣りとあって、天気予報を入念にチェックして釣行を予定。
予報を見る点としては、晴・曇・雨かどうかはもちろん、風力の強弱も重要。
天気図や気圧配置も見ておいて、等圧線の間隔が広ければ基本的に風力は弱いことが予想される。
当日2月16日(金)は、イラストのような状況でナギだった。
午前10時、東京湾金沢八景の船宿に、午後LTアジ船が出船するかどうか電話確認。
天候具合などで午後だけ出ないことがあるので、必ず行いたい。
八景駅前は、モノレールの延伸工事で変わりつつあるが、付近にコンビニや製パン店がある。
余裕を持って船宿に到着
昼食を買い、11時30分に船宿着。
揺れの少ない胴の間の釣り座を取り、受け付けを済ませる。
コンビニで買ったカップのみそ汁に湯をそそぎ、弁当を食べて、出船までのんびり。
初めての子と一緒なら遅くても1時間前に着いておいたほうが無難。
心配であれば、このタイミングで酔い止めを服用しておこう。
規定のライフジャケットを借り受けて、クーラーをレンタル。
帰る際に持参した保冷バッグや発泡のクーラーに移せば電車釣行でも荷物は軽量になるのでお勧め。
イトフケを理解させよう
釣り人5人を乗せて0時30分に出船。
30分ほど走り水深20mで開始。
支給された青イソメと赤短を付けエサにし、イワシミンチをコマセカゴに詰めて投入。
指示ダナが下から2mだったので子どもにはイトフケ分も考慮して「オモリが底に着いたらリールを3回巻いて、竿を振って、またリールを3回巻いて、竿を振って」と教えた。
あらかじめ、リール一回転で何cm巻き取るかを把握しておくといい。
この際、第一関門になるのが着底の理解。
イトがフケたらビシは着底しているということをしっかりと教えておかないと、ほかの人とオマツリしてしまう。
子供は潮上、親は潮下でオマツリ回避!
親子で並んで竿を出すなら、周りに迷惑をかけないよう親は潮下の釣り座にするほうがいいと思う。
私たちが入った左舷は、ほかミヨシに1人だけだったので、子どもの釣り座を胴の間にして、トモ側に私の竿を出した。
とはいえ、子どもの世話で手いっぱいなので、置き竿ベース。
アタってもすぐには巻き上げられないことを想定して、軟らかめの竿を選んでおいた。
子どもには硬めで高感度の竿が有利
子どもには、身長の点から、軟らかい竿ではコマセが振りにくいこと、アタリが分かりづらいと思い、硬めのキス竿を使わせた。
これがよかったようで、すぐにアタリがきて、キュンキュンとした引きに興奮気味で巻き上げ20cmの本命が海面に見えてくる。
子ども一人では取り込めないので、私がハリスをつかんで船内へ。
大人でも初めてだとそうなるが、夢中になって巻いて、天ビンの先まで巻き込んで竿先を破損してしまうことがある。
これには要注意。
特に110cmの身長の子どもだと船の舷の高さによっては、海面をのぞけないので親がしっかりとフォローしよう。
固定式のロッドキーパーとV字型の竿受けを持参していたが、わが子にロッドキーパーはまだ早かった。
力で押し込めないし、取り外しもできない。
10分以上アタリがなくなると、さすがに待っていられないようで竿を持ちたがらない。
そこで竿の胴を竿受けにかけて、竿尻を操舵室のヘリにかけて固定した。
これなら、すぐに竿を取れるし、竿先に角度がついてアタリが見やすい。
なお尻手ロープを忘れずに。
上げ潮が効いていたのか、前半は食いがよくコマセを撒けばアタる状況。
時間がたつにつれて渋くなったものの、待っているとグングンとした引きがきてイシモチが登場。
違う魚が掛かるだけでも子どもにはうれしいこと。
アタらない時間も景色を眺めたり、軽食を取るなど十分に楽しんで4時に納竿。
日が傾き、やや寒さもあり、ちょうどいい釣行となった。
この記事が掲載されるころには、春一番が吹いた後で、春本番の予報も聞かれるはず(朝晩はまだ寒いので防寒を忘れずに)。
ますます船釣り入門に最適なシーズンとなってくるので、ぜひ親子で出かけてみよう。
アジは遊離棘に注意
なお、子どもとアジをさばくときは、腹ビレの先にある遊離棘(ゆうりきょく)に注意しよう。
ウロコを取ったり洗うときに刺さりやすい。
子どもに持たせる前にハサミで切っておくといい。
<東京・青砥一生/TSURINEWS編>