寒い冬がシーズンの釣り物はたくさんあります。その中から、今回は磯釣りでのフィッシンググローブの有効性について解説します。以前書いた「ヒーター内蔵型ウェアでの防寒」記事と併せて参考にしてみて下さい。
(アイキャッチ画像提供:WEbライター・多賀英二)
フィッシンググローブの3つの有効性
真冬の釣りにおいてフィッシンググローブはかかせません。ただ寒さ対策のイメージが強いかと思いますが、特に磯釣りにおいては、メリットは防寒だけではありません。
1.防寒性能
とはいえ、まずはやはり防寒性能が重要な要素になります。10年程前のフィッシンググローブといえば、防寒の意味合いが強かったため生地が分厚くて扱いにくいという印象でした。しかし釣りでは、意外とラインを結んだり、エサを付け替えたりと指先を多用します。いくら暖かくても思うように指が動かせないと、釣りにならないのでストレスだけが溜まってしまいます。
そんな中、近年のフィッシンググローブは目覚ましい勢いで進化しています。以前のように防寒のあまり生地が分厚くなるのではなく、薄くても従来のものよりも暖かいものがでてきました。一見すると「え?寒そう・・・、本当に大丈夫?」と思ってしまいますが、機能性は抜群。未着用と比較すると雲泥の差です。
2.安全の確保
意外と知られていないのが、保護の意味合いです。フィッシンググローブには防寒性能だけではなく、手を「保護」する役割も持っています。
特に磯は他の釣り場以上に危険な場所です。油断すると思わぬ怪我や事故に繋がる場合があります。磯は、海や湖の岸で、水面付近に岩石が露出している場所を指します。そのため舗装された道路や手すりなどの人工物は存在しません。また岩には、牡蠣などの貝や海藻が付着しています。そして磯の岩石自体も場所によっては、凹凸が激しく、波などで荒く削られている箇所があります。
なによりも磯は非常に滑りやすく、油断していると体勢を崩し体を支えるために、壁をつかんだり、手をついた際に、貝で手を切ってしまったり、岩で擦り傷を作ってしまう可能性があります。この時、フィッシンググローブを装着していれば、磯に手をついてもクッションの代わりを果たしてくれます。
3.釣りやすさの補助
フィッシンググローブの手の平側には、滑り止めが付いているものもあるため、ロッドなどを握った際、素手で握るよりも断然滑りにくくなります。
一つ一つの作業がスムーズに無駄なく行えれば、それだけ手返しも早くなり釣果アップにも繋がります。そしてグローブがクッションの役目になるので、ロッドをずっと握っていることから生じる疲労感も和らげることができるでしょう。
フィッシンググローブの種類
グローブといえど、身に付けるのであれば、やっぱりカッコイイものがいいですよね。最近では、各メーカーから様々なデザインのものが販売されており、購入する時には迷ってしまうほどです。
5本指グローブと呼ばれる指先が全て隠れているものや、反対に5本切り(5フィンガーレス)タイプの全て出ているもの、親指・人差し指・中指のが出ている3本切り(3フィンガーレス)タイプなど色々あるので釣種や好みによって選ぶとよいでしょう。
そしてグローブの生地にも違いがあります。寒い時に使用しやすい防寒性能を高めたものだけでなく、通気性がよく暑い時に使用しやすいものもあります。
また、手返しを求める競技などで役立つ針ケース付きのものや、指先に小さなライトの付いたものなど、少し変わったデザインのものもあります。
フィッシンググローブの選び方
フィッシンググローブは自分の手のサイズや使用目的に合ったものを選ぶことをオススメします。
例えば、フカセ釣りのように細かな針などの繊細な仕掛けを組むときは、5本指タイプよりも指先が露出している、3フィンガーレスタイプのほうが扱いやすいと思います。逆に防寒を重視したり、プライヤーなどを使いそこまで細かな作業がない釣りの場合は、指先に露出がないタイプのほうがオススメでしょう。
また地磯へ向かう道中など、岩やロープをよく掴む場合は、少し厚手のクッション性のよいものをオススメします。
そして競技など手返しを求める時には、針ケースがついたものが役立つでしょう。
実際に使ってみた感想
次に筆者が、実際に使用してよかった点を紹介します。
まず竿やマキエヒシャクを握った時のフィット感です。フィッシンググローブを装着したほうが、素手に比べて断然良かったです。
そして疲労感も軽減され、長時間の釣りには特にオススメします。魚を掴む時、タオル無しでも躊躇せず掴めるのもよいと思いました。
さらに冬場は乾燥しにくく、夏場は日焼けしにくいとうメリットもあります。
最後に
フィッシンググローブは高い物になると5千円以上するものもあります。大事に使えば、筆者の様なサンデーアングラーの場合、3年はゆうに使用できます。
また、釣具店には1000円程度のものも置いてあるので、実際に触ってみることをオススメします。
<多賀英二/TSURINEWS・WEBライター>