蝉の声が聞こえなくなると恋しくなる魚がいる。秋の好ターゲット『ハゼ』だ。今回は、初めての手こぎボートでのハゼ釣行を初体験者視点でレポートしよう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松浦)
魅力たっぷりのハゼ
蝉の声が聞こえなくなると恋しくなる魚がいる。食味も抜群で、天ぷらにすると、衣の内側に隠れた白身に旨味が濃縮され、ひと口噛む毎に衣のカリッとした食感と身のふわふわのダブルコンボでご飯もお酒も止まらなくなるのだ。
また食味だけでなくゲーム性も魅力的であり、近年では餌だけではなくルアーを使った釣り方も注目を集めている。そんなパワフルフィッシュ、もう皆さんお気づきだろう。そう、ハゼである。
ハゼ釣りシーズン
夏から冬にかけてがシーズンであり、季節が進む事に個体も大きくなっていく。しかし、その分数も減るため数を釣ることが難しくなり、よりゲーム性が増していく。
今回は10月上旬、残暑がまだ残るなか茨城県涸沼へハゼに会いに行くことにした。当日は台風通過後で濁りが強く、船頭曰くハゼの群れも散ってしまい渋い状況とのこと。今晩の酒の肴程度にと、あまり期待もせずに釣行を開始した。
涸沼でボートハゼ釣り
午前7時、飯岡屋釣舟店の手漕ぎボートへ乗り込み、ポイントまでは船頭のエンジン付きボートに牽引されて向かう。他に4組の客がいた為、カルガモ親子の様な状態になっていた。10分程カルガモを楽しんだ後、ポイントに到着してアンカーを降ろした。
船頭は定期的に見回りに来てくれる。ポイントを移動したい時はその時にとのこと。仕掛けは、道糸にPE0.8号、ハリスはナイロン0.8号。針にハゼバリ7号、重りは中通し重り5号とした。
ゆっくり仕掛け動かして当日の1匹目
釣行を開始して2時間が経過したがハゼの姿が見えない。釣れるのはセイゴ(スズキの幼魚)ばかり。ハゼ絶滅を疑いながら船頭が見廻りに来たタイミングでポイントを100m程動かしてもらった。餌と仕掛けを整えて深場を狙ってキャスト。
しっかりと底を取り、ゆっくりと歩くスピードくらいで動かしていく。するとコツコツっと強い当たりが手元にやってきた。慌てずにアワセを入れてゆっくりと回収する。当日の1匹目となる少し大きめのハゼが登場。
最終釣果
その後もポツポツと釣果を伸ばし、午後1時、1人で食べるには十分な10匹をキープし納竿とした。ハゼ釣りの攻め方はルアー釣りに似ており、ハゼのいるポイントを探し、餌を動かしてアピールしハゼに食わせる。
釣り上げた時に針が飲まれずに上手く口に掛かっていれば合わせが上手くいっている証拠。逆に呑まれていればアワセせが出来ていないのだ。ひとつひとつを的確に行うことで釣果を伸ばすことができる。
技量が釣果に直結するこのゲーム性がハゼ釣り1番の魅力なのだ。
初体験の感想
最後に、初めての涸沼ボートハゼ釣行の率直な感想を。
大量のボラ
涸沼は汽水湖のため、沢山のボラが生息している。ボートでポイントへ移動中にエンジンの衝撃でびっくりしたボラが大量に宙を舞い、船内にも飛び込んでくる。これがボラではなくダツだったら涸沼が血の沼になるだろう。
針を呑み込むスズキ
船頭曰く底を取れていないと釣れてしまうセイゴ。針を飲み込み仕掛けをダメにしてしまう。その確率は安物ベイトリールのバッククラッシュ率を有に超えていた。
エサの付け方の大切さ
餌は真っ直ぐに針が隠れるように付け垂らしは長くても1cm以内で。これを守らないとしゃぶり尽くされてペラペラになったイソメが帰ってくる。見た目にそぐわないお食事上手な魚なのだ。
攻めの釣りが釣果に影響
涸沼は濁りが強いため、置き竿ではあまり釣果を伸ばすことができない。積極的に周囲を探ることが釣果に影響してくる。1度アタリがあったり釣れた場所を丁寧に攻めることがポイント。
シジミと鰻がうまい!
涸沼はハゼだけではなく鰻とシジミも名産品なのだ。この2つが味わえるおすすめのお店が【うおふね】。おすすめメニューは天然鰻の天丼(1200円)このお店オリジナルメニューである。
勿論、しじみ汁付き。鰻の天ぷらと聞くと鰻と言えば蒲焼きか白焼きだろう!と思うかもしれないがこれも悪くない。天ぷらにすることで蒲焼や白焼きとは違った顔を見ることができる。
釣行後の疲れた体に鰻としじみ汁が染みるのだ。これがあれば帰りの運転も頑張れる。ともあれ、鰻好きにはたまらない1品である。帰り道によってみてはいかが。
<松浦/TSURINEWS・WEBライター>
飯岡屋釣舟店
電話番号:029-293-7026