最近のタックルは、日頃のメンテナンスが簡単に出来るようなものが一般的です。海水で使用した後に放置することは絶対NG。日頃のメンテナンスをする事でより長く、より快適に使用できます。今回はフカセ釣行の後のタックルメンテナンスを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・多賀英二)
「磯」での汚れの原因
まずはフカセ釣りの代表的なフィールドの「磯」での汚れるポイントを確認しましょう。波が被らない安全な場所に荷物を置いておいたとしても、細かい波しぶきが間違いなくかかります。
また、沖磯の場合は渡船を使用すると思いますが、ほとんどの渡船が船首の方に荷物を積みます。船首で波を切って進むため、こちらでも波がかかります。もちろん雨天では雨水がダイレクトにかかることになります。つまり塩水と雨水の2つが、釣り場での特徴的な汚れの大きな原因となります。
「フカセ釣り」での汚れの原因
続けては「フカセ」という釣り方での汚れるポイントの確認です。フカセ釣りは、ご存知の通り「まきエサ」を使用します。
まきエサは柄杓ですくって海に投げますが、すくって投げる際に周囲にどうしても飛散します。磯の狭い釣り場では、釣り座付近に荷物を置くことも多いため、あらゆる荷物にコマセが付着することが多々あります。これがフカセ釣りという釣り方の特性からくる汚れの最大の原因です。
リールのメンテナンス
釣りで使用したリールには、海水だけでなく、様々なゴミが付着しています。海水はサビの原因に、ゴミはリールの破損に繋がります。釣行後はまず、海水の塩と釣りでついたゴミを取り除くためにもリール本体を水で洗いましょう。この時シャワーで洗うと細部まで洗えるのでより効果的です。
ポイントとしては、駆動部を入念に洗うことオススメします。 次にスプールの「塩抜き」です。ドラグをしっかり締めて水を張った容器に5分~10分程漬けます。
この時、ドラグを締めていなかったりお湯などで塩抜きを行ったりすると、中のグリースが溶け出す事があるので気をつけましょう。
塩抜きが終わり水気が無くなったら、必ず注油しましょう。駆動部に注油し動かしてあげることで、しっかりオイルが入ります。注油することでスムーズに動くことと、錆びが発生しにくくなるという効果があるので大事な作業になります。
竿のメンテナンス
竿もリール同様にメンテナンスが必要です。竿は水をつけたタオルなどで拭いた後、乾拭きし、仕上げにワックスをかけるだけです。 水気をしっかり取り除いて保管しておかないと、ロッドの塗装部に水ぶくれや気泡ができるブリスター現象がおきやすくなるので注意が必要です。
ウキなどの小物類はメッシュポーチに入れておけば、釣行後にそのまま丸洗いできるのでおすすめです。メッシュポーチが好きではない方は、干物を作るネットに入れて洗うこともおすすめです。
ロッドケースやタックルボックス
ロッドケースやタックルボックスも水をつけたタオルで拭き、乾いたタオルで拭くのがよいでしょう。仕上げにワックスをかけるとより効果的だとおもいます。
次にチャックに塩抜きスプレーや油をさすことも忘れずに。
次回の釣行が、一ヶ月先など長期間使用しない場合は、特に注意が必要です。というのも長期間チャックを動かさずに保管して置くと塩噛みがおきる可能性が高くなります。もしチャックが噛み付いてしまった場合は、浸透性のよい油をかけたり、車の整備に使うキャブクリーナーを使うなど地道に塩を取り除きましょう。
キャブクリーナーは強い薬品なので、生地を痛めてしまうことがあるため取り扱いには注意が必要です。またスチームクリーナーを使用するとより効果的なのでおすすめです。
もし既に噛んでしまっている場合、力ずくでチャックを動かそうとすると、チャックがレールから外れて使えなくなる場合があるため注意が必要です。
バッカン
最後にバッカンのメンテナンスです。釣りが終わり、バッカンを洗おう!と思った時、まきエサがこびりついてなかなか取れないという経験をされた方も多いのではないでしょうか?
汚れをより簡単に落とす方法として、「シリコンスプレー」がおすすめです。これを釣行前にバッカンにまんべんなく吹くことで汚れが落ちやすくなります。
またバッカンだけではなく、スパイクブーツにも併用できます。洗った後に吹きかけることでラバーの痛みを抑えることもできるのでとてもおすすめです。その他にもタックルボックスやロッドケースに吹きかけるのもおすすめです。
注意事項として、生地が痛まないか確認のうえで使用することをおすすめします。
日頃のメンテナンスをしっかりして次の釣りに繋げてみてはいかがでしょうか?
<多賀英二/TSURINEWS・WEBライター>