夏休みは、多くの子どもたちには、うれしい期間であり、ここで作られた記憶は大人になっても原体験として引き継がれていくものになる。ここでは、4~7歳の子どもがいる人に向けて、淡水釣りの場所の選び方をまとめた。ぜひ参考にして、楽しい夏休みの思い出を残してほしい。
(アイキャッチ提供:週刊つりニュース関東版・青砥一生)
楽しい夏休みの思い出
夏休みは、大人、つまり親としては、さほど長くはない休みで(長い休みを取れる人もいるかもしれないが)、ピンポイントでいかにいい時間を作りだすかが、試練のときである。
つまり、効率がよく、失敗の確率が少ない魚種と場所の選定がカギになる。
子連れ淡水釣行の場所選び
おおまかに言って、水深が深く、流れに緩急がある場所のほうが魚は潜んでいることが多いはず。
しかし、子どもの落水を想定すると、そういう場所はあまり選びたくない。
水質にもよるが、底がぎりぎり見えるくらいで、流れのゆるい場所がまず候補に上げられる。
私の息子は、キンギョの釣り堀で落水したことはある。椅子に座ったまま池のなかをのぞき込んで、椅子が斜めになった瞬間に突っ込んでしまった。
当時4歳、体の割合で頭が重たかったこともあり、自然とダイブしたのだった。頭まで浸かったが水深は浅く、息子は泣くこともなく済んだが、近くのスーパーで着替えと靴を一式買うことになり、想定外の出費に親が泣くことになった。
こんなことがあり、以来は落水の可能性に十分気を使っている。川やホソ、港でも、救助しやすい場所(流れがゆるい、水深が浅い、岸に上がりやすいなど)を先に見つけておいてから釣り始めたほうがいい。
熱中症対策
夏なので、帽子や飲料など熱中症対策はもちろん、少しでも日陰がある場所を選びたい。
小型のテントやサンシェードを持ち歩くのがいい。急な雷雨を避けられる施設、飲料の自動販売機やトイレが近くにあればベスト。
網を使ってみよう
あいにく魚のご機嫌が悪かったり、タックルや仕掛けの想定が不十分だったりした場合。
つまりオデコをくらって、親の面目が立たないとき、活躍するのが網。
岸際の水草や小石、砂地を網でガサガサとほじくり返し、魚を捕まえる。いわゆる「ガサガサ」。魚だけでなく、ヤゴもカニも入るので、生物観察にはもってこい。
とはいえ、むやみに網を入れたところで効率よくは取れない。
まず、網の形状は丸型ではなく、川底に合わせて一辺が真っすぐなもの。
そしてしっかりとしたアルミフレームが鉄則。
コツとしては、生物がいそうな茂みの下流部に網を構え、その少し上流から棒(川に入れる場所なら足)で網へと追い込んでいくといい。
酒匂川ポイント紹介
淡水釣りの適した場所の例として、神奈川県小田原市の小田原アリーナそばを流れるホソが上げられる。
酒匂川に合流する幅2~3mの川で、水深は0.5~2m。アリーナの裏手には、川に下りる階段があり、気軽に親水できる。
そこから下流にしたがってゆるやかに水深が増し、1km弱の所にエン堤がある。オオカナダモが茂っている場所は多いなか、エン堤の手前だけは生えておらず、流れがゆるくなっている(7月上旬の時点)。
かなりピンポイントにはなるが、ここではカワムツやアブラハヤが有望。
場所は限られるので、日中よりも朝・夕方のほうがお勧め。避難場所としてアリーナがあるので、休憩やトイレ、飲料の補給がしやすい。
アリーナの裏手から駐車場の脇は、両岸に草が茂っており、ガサガサがしやすい。
昨年、市内の生物調査の会で捕獲されたのは、カワムツ、ハヤ、アユ、ナマズ、モツゴ、ドジョウ、カマツカ、ヤゴなど。
ローカルなポイントではあるが、このような選び方をしていくと、どんなところでも失敗が少ない釣行ができるだろう。
<週刊つりニュース関東版 神奈川・青砥一生/TSURINEWS編>
酒匂川