今年の大阪湾の波止釣りはちょいと異変続き。各波止ではチヌが釣れ続き、豆アジのシーズンに突入したと思えばツバスにハマチにブリ、そしてサワラと青物が怒濤の攻勢だ。7月7日はドラグ音も心地よく、メーターオーバーのブリも登場。そんな梅雨を吹き飛ばす波止の模様を取材した。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS関西編集部・松村)
やっぱり晴れた7月7日
雨が降り続く…と思いきや、前線が南へ下がり、梅雨の中休みで快晴となった7月7日は、年に1回、織り姫様と彦星様が再会できる七夕。そりゃ、晴れるわ…と言う事はさておき、早朝の武庫川渡船の乗船場にはスラリと人が並んでいた。
例年、7月初めの武庫川一文字ではサビキで豆アジやイワシ、小サバなど、波止際のタコジグで新子のマダコなどが盛況。逆に例年少し一服状態となるのがチヌやハネなどだ。
武庫川一文字に異変?!
ところが今年は全く状況が違う。チヌは落とし込み、フカセ釣りともに釣れ盛り、20尾超の釣果を記録している日も出た。豆アジは順調に釣れ出したが、その沖の深い場所にはメクリアジと呼ばれる25cm前後のアジが潜み、小サバも釣れているが時として40cm超の大型サバも回遊している。それに輪を掛けているのが青物だ。
今年は珍しく20~30cmのツバス(ブリの幼魚)がサビキ仕掛けにも釣れていて走り回るファミリーや子どもさんが強引を堪能している。その上、70~100cm超のメジロ、ブリクラスが回遊し始めたと言うから尋常じゃない。
当日もブリを目指して渡るルアーマンやノマセ釣りの人たちが多かった。それからファミリーフィッシングのサビキファンに、岸ダコマニア、密かに釣果を上げまくっているガシラの探り釣り師などなど波止の上はお好みの釣りを展開する人たちで賑やかそのものだ。
武庫川渡船の船着きは武庫川一文字の東から2番、3番と200mくらいの間隔で6番まである。その時々で、どこで魚がよく釣れているか…を予想するのも楽しいが、外れると地獄。
早朝からサビキ釣りは絶好調
さて、早朝からいきなりサオが曲がりまくっていたのが内向き(北向きの低い護岸)でのサビキ釣り。筆者は人が多かった2番で下りたが、船着きの左右ではまずは15cmほどの小サバが鈴なりで上がり、その後、誰が言ったか「少しタナを深くすると豆アジが釣れる」とのことで、レンジを下げると10cmくらいの豆アジが釣れだした。
ツバスの姿も
そして、豆アジを水面まで追ってくるツバスの姿もよく見かける。サビキに直接、あるいは掛かったアジにツバス20~30cmがヒットすると、いきなり横へ強烈に走りサオがひん曲がる。突然やってくる大物に子どもたちの声も明るい。
そんな賑やかな釣りを横目にストイックに釣っているのが青物狙いのルアーマン。この日はルアーへの反応が悪く、時折、「メジロクラスがジグに追ってきた」とか「沖でボイルが出ている」と言っていたが、ヒットには至らずのようだった。
堤防騒然の101cmブリ!
そんな中だったが、午前7時ごろにいきなりドラグの滑る音が周辺に鳴り響いた。強烈な引きにドラグを滑らせながらサオが大きくお辞儀しまくり。高場へと上る階段にサオを固定していたからよかったが、一瞬目を離したすきにサオを持っていかれる勢いだ。荒木さんがノマセ釣りで放り込んでいたサオだった。
実に格闘する事10分以上。水面に姿を現したのはメーター級のブリ。丸々と肥えていてコンディションはかなりいい感じ。水面には浮かせたものの、タモに収まらず、周りの人がもう1本のタモを差し出して2人がかりで取り込んだのは101cm、8.5kgの大物だった。