春はのっこみシーズン、この時期限定で磯で狙えるフカセのターゲットがイシダイ。今回はフカセで狙うイシダイのポイントや釣り方について解説します。
フカセでイシダイ?
イシダイは基本的に海底の根回りに生息する魚だ。イシダイの歯を見てもわかるように甲殻類、棘皮動物いわゆる貝類やウニ類をバリバリと噛み砕いて食べている。
しかし、春の産卵期には、比較的安価で手に入るオキアミにも敏感に反応し、グレのフカセ釣りでも狙える対象魚になる。
フカセイシダイの釣り方
狙うタナ
底付近を狙う仕掛けで釣るのが基本となる。水深がわかっている釣り座なら、底から1ヒロ程度のタナをセットした仕掛けで釣りたいところ。
しかし水深がわからない場合、手っ取り早いのは渡船の船頭さんに尋ねることだが、もし尋ね忘れたなら自分で測るしかない。
簡単に測る方法としては、ハリに5号程度のナス型オモリなどを引っ掛けて測る。もしくは、何回か釣行しているうちに根掛かりなどを経験し、徐々に水深を体感していくかのふたつにひとつだ。
ウキ止めをつけない『スルスル釣り』やウキ止めをつけた『全層探り釣り』などで探るのも良いが、上層から探っていく釣りのため、効率が悪くなる。
まずは、釣り座の水深を把握し、底から1ヒロ程度を意識した仕掛けで釣ることが、イシダイとの出会いが多くなる方法だ。
アワセ方
イシダイ狙いで忘れてはならないのが、『早合わせ』である。ウキに反応があれば即座に合わせる釣りでなければならない。というのも、グレ狙いの場合は、ウキに反応があってから竿で聞いてみても良いというのがセオリーだが、イシダイ狙いの場合、即座に合わせなければハリを飲み込まれ、あのするどい歯でたちまちハリスを切られてしまう。
とは言え、乗っ込み時期のイシダイは、ひったくるようなあたりが出ることが多い。竿までガツン!とくるようなあたりが出ることも多く、合わせが間に合わず、のされてしまうことも多い。
そんなときは、あわてずに糸を出し、竿を立てることを優先しよう。竿を立ててからドラグ性能とレバーブレーキをフルに使って、魚を怒らせないように寄せて来る。運よくハリがイシダイのカンヌキに掛かり、歯にハリスが当たらない場所でやり取りができれば、高確率でキャッチできるだろう。
狙うべきポイント
フカセ釣りでイシダイを狙うための釣り場の選定だが、底もの釣り師が釣果を上げているポイントを知っていればそこを狙うが、わからない場合は、キーワードとして『底付近』と『シモリ際』が挙げられる。
磯際からどん深の釣り場よりも、釣り座から少し沖に深場があるポイントが良い。さらに磯周辺にはシモリや溝が多い場所、あるいは水深はないものの底が荒い場所を選んだ方がフカセ釣りで狙いやすくなる。
何よりも、毎年この時期になると底もの釣り師が来て、イシダイの釣果があがる磯がベスト。
もちろんフカセ釣りの基本である、『まきエサがたまる場所』を忘れてはならない。まきエサがたまる場所はその日の潮の流れによって変わるので、これはフカセ釣りのコツを知っている方なら、現地で確認できるだろう。
まきエサと同調しているか
深場を狙う釣りは、まきエサとの同調が難しくなる。まきエサがどれぐらいのスピードで沈み、自分が狙っているポイントでつけエサと同調するかを、潮の流れと相談しながら決めていかなければいけない。
それには、普段から使っている配合エサの沈み方や、上潮と底潮の流れの違いなどを把握しておくことが必要となる。