春はのっこみシーズン、この時期限定で磯で狙えるフカセのターゲットがイシダイ。今回はフカセで狙うイシダイのポイントや釣り方について解説します。
和歌山県南紀田辺湾の磯
私がホームとしている和歌山県南紀田辺湾の磯は、この時期から夏にかけて底もの釣り師が大勢来る。それゆえにかなりの釣果を上げている場所で、そういった磯でこそフカセ釣りでイシダイが狙える。
例えば和歌山の磯を例にとって説明すると、南西向き(図の上が北)に磯際から竿2本程度の水深があり、右か左の潮の流れが見られる。
右(北西)に潮が流れる時は、右側にある海底の峰の際にまきエサがたまるので、そこを重点的に狙おう。
左(南東)に潮が流れる時がフカセ釣りの本命潮で、磯から続くタナの際を流す。また、どちらの潮も磯際や、北西(図の右側)のシモリ際を狙える。
基本的には、グレ釣りと同じポイントとなるが、イシダイ狙いの場合、より磯際やタナ際を意識した釣りをした方が出会いが多くなる。
どちらの潮でも、底付近を意識した仕掛けで釣る。グレ狙いの仕掛けの場合、できるだけ軽い仕掛けで上層から中層を意識した釣りをするが、イシダイを狙う場合、底付近を意識した仕掛けとする。
図の磯の場合、竿2本程度の水深がある磯なので、竿1本半程度のタナを探ることになる。具体的な仕掛け例については、前回の記事を参照してほしい。
フカセ師のロマン
フカセ釣りの仕掛けでイシダイを釣るには、上記のことに加えて、やはり運も必要だ。運よくハリ掛かりさせたとしても、掛かり所が悪ければすぐに切られてしまうし、やり取りの最中にイシダイが反転し、鋭い歯で切られることも多い。
イシダイ狙いは底もの仕掛けで釣るのがもちろん正解だが、『フカセでイシダイ』ということに、グレ釣り師のロマンがある。また、春磯は、グレのタナも安定しないことや、マダイやイサギといった磯魚との出会いもあることから、ぜひ、底付近の釣りを楽しんでいただきたいと思う。
<西原和哉/TSURINEWS・WEBライター>