北九州地方を中心に爆発的な人気を誇る「落とし込み釣り」。
ターゲットとなる魚は、海の中の頂点に立つ魚たち。総称して青物と呼ばれるヒラマサ、ブリ、カンパチといった魚に加えて、マダイやヒラメ、根魚などだ。
これらの魚が冬を越す体力をつけるためにイワシや小アジなどを追って、沖から地寄りの岩礁帯や沈船周りに集まってくる。
食べておいしく釣って面白い釣り、落とし込み釣りを今秋から始めたいと考えている読者への参考になれば幸いだ。
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落とし込み釣りのベイトについて
ベイトは主に2種類、青物が好んで食べるベイトはカタクチイワシと小アジだ。
8月後半になるとカタクチイワシは8~10cmほどに成長しており、これを青物やマダイ、ヒラメ、根魚などが夢中になって捕食している。
魚礁や沈船周りでプランクトンが繁殖、それを小魚がエサとして食べ、さらにその小魚を中型の魚が、そして、中型の魚を狙って大型の魚(青物、マダイ、ヒラメ、根魚)がやってくる食物連鎖が成り立っており、これを利用したのが落とし込み釣りだ。
まずはポイントに着くと船長が魚探でベイトの群れを探す。
船長から釣り人に、ベイトが海底から何メートル上にいるのかが伝えられる。
そのタナまで仕掛けを落としてベイトをヒットさせ、巻き上げずにそのまま海底まで落として、1mほど底を切って待つ。
ベイトがハリ掛かりするとサオ先がブルブルと震えるので、それを確かめて底へと落とし込むこと。
ベイト(カタクチイワシ)がハリ掛かりして暴れることでウロコが落ち、キラキラと光ることも本命魚を寄せるまきエ代わりになっている。
なお、ベイトがハリ掛かりしない場合は、ベイトがいるタナより4~5mほど上まで仕掛けを巻き上げて再度落としてみよう。
落とし込み釣りとはこの一連の流れの繰り返し。
だれよりも早くベイトを掛け、本命のタナへ落とし込んだ人のサオにアタリが一番にでる場合が多い。
なお、落とし込んで5~6分待ってもアタリがない場合はベイトも弱って動かなくなったことが考えられるので、巻き上げて弱ったベイトを取り除き、再び仕掛けを落として新しいベイトを付けること。
新鮮なベイトはよく暴れて本命の魚へアピールしてくれるはずだ。
本命がベイトに食いつくとサオ先が急に海面に突き刺さるような引きに見舞われる。落ち着いて巻き上げに入ろう。
パーソナル魚探
ベイトの動きを把握するのにもパーソナル魚探は便利。
船によってはパーソナル魚探が使用できる船もある。
釣り人が手元でベイトがいる層や海底の様子を把握することができる利点がある。
つまり今まで船長がマイクで説明したのが、自分の目でベイトや海底の起伏を見て対応できるわけだ。
落とし込み釣りで重宝することも多いので、使える機会がある場合は試してみてほしい。
最後に
ライフジャケットは必ず着用して安全面に配慮すること。
仕掛けの予備は多めに、ハリはずしなどの準備も怠りなく。
そして、初めて挑戦する人は、分からないことがあったら船長やベテランに相談してみること。
<週刊つりニュース西部版 APC・飛高宏佳/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2017年9月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。