大阪湾の人気ナンバーワンターゲット・テンヤタチウオが開幕し、各地で釣果が上がりだした。
今週はこのテンヤ釣りのタチウオをピックアップ、船釣りのエキスパート・今井浩次さんにタックルから釣り方まで、この釣りの基本を解説してもらった。
最近は年を越えて狙えるタチウオ、シーズンはまだまだ続くので、今から始めてロングランで楽しもう!
【釣り方編はこちら】
夏の人気釣り物タチウオ
年を重ねる毎にヒートアップしつつあるのが、暑い最中にシーズンが始まる大阪湾のテンヤタチウオだ。
毎年、7月の半ばからスタートを切るのは兵庫県の須磨沖。
最盛期に鳴門海峡筋から続く深い海溝のポイントに集結する乗合船の数は、数十隻を数え、連日300~400人もの釣り人がサオを出すことになるが、釣って面白く、食べてもおいしいタチウオ、人気が集中するのも当然だろう。
今回はそんなテンヤタチウオの釣りを紹介してみよう。
タチウオテンヤのロッドについての考え方
サオはテンヤタチウオの専用ザオが各メーカーから発売されているが、今シーズンはさらに加熱して各メーカーからリリースされた新製品が続々登場、さらに楽しみが増えた。
テンヤタチウオの専用ザオも様々な種類があってどれをチョイスすればいいのか迷ってしまうことも多いが、基本的には二つの調子のものをおさえておけば間違いはないと思う。
ひとつは極端な先調子に仕上げた掛け調子のサオで、8対2調子や9対1調子のものが主流。
この手のサオは、小アタリを拾ってどんどん掛けアワせていく釣りに向いており、型の大小を問わず数釣りを楽しむ人にお勧め。
もう一つは、オーソドックスな船ザオの調子を踏襲した7対3調子のもので、サオ先が軟らかく、食い込みを重視したタイプ。
スロー巻きでタナを探りつつときおり誘いを掛けながら、テンヤを追ってくるタチウオが我慢しきれずに食い込むのを待って掛けアワせる釣りに向いているサオだ。
いずれのサオも、長さは2m前後のものが使いやすいし、一日中手持ちで釣るのが基本だから、軽くて持ち重りしないものを選んでおく。
どちらかのサオ1本でももちろん釣りはできるが、何しろ相手は天の邪鬼で幽霊魚の異名を取る魚だから、一筋縄ではいかない。
軟らかめのサオを使いスロー巻きで誘った方がいいときもあれば、小アタリを取ってガンガン掛けアワセしていった方がいいときもある。
ゆえに、2つのタイプのサオを用意しておけば万全だ。
リールとラインの選択
深いポイントを釣ることが多いので、リールは小型電動リールが必需品だ。
重さ400~500gで2号のPEラインが最低200mは巻けるものを用意しておく。
PEラインの太さは、ある程度揃えておかないとオマツリの原因になる。
このため船宿によっては2号とか3号以下と決めているところもあるので、よく確かめておくこと。
120cm超えのドラゴンが掛かっても、上手にあしらえば2号のPEラインでも十分取り込める。
ミチイトは細ければ細いほど潮から受ける抵抗が小さくなるので、イトふけが少なくなりアタリも出やすくなるし、底取りもしやすいから2号がお勧めだ。
ミチイトの先端にナイロンかフロロで10号前後のリーダーを必ず2、3m付けておく。
かつてはタチウオにミチイトを切られないよう短いワイヤリーダーを付ける人が多かったが、最近はナイロンかフロロのリーダーが主流になってきた。
大型のタチウオが掛かったとき、サオで抜き上げようとするとバラすことが多いので、このリーダーをつかんで抜き上げるのがベスト。
こんな理由からナイロンかフロロのリーダー派が増え始めたのだ。
また、タチウオテンヤの大きさも船宿で決められているから、それを守ること。
大阪湾の場合は40号か50号のどちらかで統一されている。
この他にケミカルライトの装着は不可とか、ダブルフックのテンヤ、エダバリ禁止などを決めている船宿もあるので、出かける前によく確認しておくことだ。
そして、タチウオの歯はカミソリのように鋭いので、ハリを外すときに失敗して手を切ったり噛みつかれたりすることがある。
だから魚バサミを用意し、これで挟んでハリを外すようにすれば万全だ。
それではぼつぼつ【釣り方】に進もう。
<今井浩次/TSURINEWS編>