冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることも

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることも

昨年夏に、釣り場の周辺でよく見られる植物の春~夏編を紹介した。今回は、秋~冬に花を咲かせる植物を中心に紹介する。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)

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牧野博

初めて投げ竿を持ったのはもう50年近く前、関東で就職してからクラブに入会し、投げ釣りの面白さに魅了されました。根掛かりの多い砂地の磯場や河口内でわざわざ引き釣りをするという特異な習性があるほか、秋にはヘラ竿を持って汽水域を徘徊することもあるようです。

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お役立ち その他

釣り場の草本植物(草)

植物の数は春~夏に比べて少なくなるが、個性的な植物が釣り場の周辺に見られる。またこの時期は植物が春に備えて準備をしている時期でもあり、じっくり観察してみると興味深い植物の姿が見られる。なお、文中の植物の分布については、みんなの趣味の園芸(NHK出版)のWEBサイトを参考とした。

秋から冬にかけて、釣り場で見つけた草本植物(草)を紹介する。

ツワブキ(キク科ツワブキ属)

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもツワブキ(提供:TSURINEWSライター牧野博)

分布は、東北地方南部以南の本州、四国、九州、朝鮮半島南部、中国東部~南部、台湾にかけて。秋に黄色い花を咲かせる。釣り場の背後の雑木林などによく見られ。多年草で常緑の植物。花が枯れても、葉と地下茎や根が残っていて翌年も同じところに芽吹いてくる。観賞用に植えられることもある。

写真は田辺・芳養の大屋で撮影。この花が咲いている時期であればまだまだ海水温も高めなのでキスは充分に狙うことができる。

ハナイソギク?(キク科キク属)

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもハナイソギク?(提供:TSURINEWSライター牧野博)

分布は、日本、東アジアにかけて。白いマーガレットのような花を咲かせていたのを新和歌浦の遊歩道で1月中旬に撮影。

この仲間は野生のキクの仲間で、栽培品種のキクとも交雑するという話を聞いたことがあり、申し訳ないが分類にはちょっと自信がない。読者の方にどなたかキク科の植物の分類に詳しい方がおられたらぜひ情報をいただければ幸いである。海岸沿いに遊歩道があり、その岩肌のほとんど土の無いところに根を張り、たくましく茎葉をのばして花を咲かせていた。

ダンチク(イネ科ダンチク属)

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもダンチク(提供:TSURINEWSライター牧野博)

分布は、本州から南西諸島、台湾、中国、インドから地中海まで。高さ2~4mあるいはそれ以上にもなる。大型のイネ科の植物である。春~夏編のところでも紹介したが、和歌山県の海岸部にはよく見られる。夏から秋に茎の先に穂が出るのがイネ科らしいところ。

大きくなると地面に近い茎の部分は竹のような感じで、優に昔のグラスの投げ竿位の太さになる。田辺・芳養の大屋で撮影。

釣り場の木本植物(樹木)

続けて、釣り場で見つけた木本植物(樹木)を紹介。

ヤブツバキ(ツバキ科ツバキ属)

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもヤブツバキ(提供:TSURINEWSライター牧野博)

分布は、本州、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮半島南部、中国(山東、浙江)にかけて。西南日本の照葉樹林帯に広く分布する常緑樹で、品種改良されて庭木としても広く植栽されている。実から椿油がとれ、東京都の伊豆大島は有名な産地である。写真は田辺・芳養の大屋で撮影したものである。

トベラ(トベラ科トベラ属)

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもトベラ(提供:TSURINEWSライター牧野博)

分布は、アジア、オセアニア、アフリカまで。暖地の海岸の山林によく生えている常緑の広葉樹。花の時期は4~5月だが、秋から冬には、実をつけている。写真は田辺・芳養の大屋で撮影したものである。

世界中の暖地に育っているたくましい植物といえるが、氷点下以下の温度では生育が非常に悪くなるといわれており、その意味では日本でも太平洋側の暖地に多いと思う。茎や根には悪臭があるが、白い花を茎の先に着け、可愛い感じの樹木で花木として植栽されることもある。

サクラ(バラ科サクラ属)

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもサクラ(提供:TSURINEWSライター牧野博)

東アジアを中心に、日本全国に広く分布し、また植栽されている落葉樹である。一般には花木として植栽されている。品種改良されて多くの品種が存在し、花色も白から薄いピンク、薄い黄色のものなど様々、毎年、サクラの開花期に大阪の造幣局の通り抜けが公開されているが、ひっそりと里山や海岸近くの林などに咲くヤマザクラも趣深い。

花の写真は釣り場ではないが、和歌山市内で早咲きのサクラとして地元ではよく知られている中ノ島の国道24号線沿いにあるサクラで、周囲の他のサクラの木がまだつぼみが固い2月の中~下旬に満開になる不思議なサクラだ。

越冬する植物の姿いろいろ

動物は、冬に備えてエサを沢山食べて皮下脂肪を蓄積し、種類によっては冬眠することで体力の消耗を抑えて冬に備える。植物も同じで、カブやダイコンは成長のための栄養素を根に蓄えている。落葉樹、例えばサクラでは葉を落葉させているが、枝の先にはしっかりと開花、芽吹きのための準備が整っている。

サクラ(ソメイヨシノ)の枝先をよく観察すると、芽が多数固まっているが、その中央部に周囲の芽と比べスリムな芽があり、これが葉芽で、花が開いた後に展開してくる。

ヤマザクラでは葉と花が同時に開いてくる。また草本植物の中には、茎の節と節の間(節間という)が極端に縮まり、地面に張り付くようにして冬を越している植物もある。これはロゼット状態と呼ばれ、強い季節風の影響を抑えることができる。

冬に釣り場で見ることができる植物たち 釣りシーズン開幕の目安になることもギシギシ(提供:TSURINEWSライター牧野博)

写真は田辺・芳養の大屋で撮影したもので、植物はギシギシ(タデ科ギシギシ属)、気温が上がって、ロゼット状態から少し茎や葉が伸びてきたところと思われる。タンポポなども冬場はロゼット状態で冬を越している。

最近、コンクリートで固められた釣り場も多いが、そのちょっとした隙間に、いろいろな植物がたくましく生育している。砂浜、岩礁地帯、渓流と、そこに生育している植物の姿を見つめていると、季節の変化がよくわかるし、微妙に釣り魚の釣期と関係しているのも面白い。

<牧野博/TSURINEWSライター>

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