釣りをしていると、誰もが一度は思うのではないだろうか?「ルアー(ハリ)をかけたまま魚が逃げた場合、その魚はどうなるのか?」と。ルアーのフックが魚の口にかかった状態でバラしたら、そのあと魚にどんな影響があるのだろうか。どうも死に至る可能性もあるらしい。よく知っておきたいものだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
フッキング位置による生死の境目
まず、ルアーのフックがどの部分に掛かるかが、魚の生死を分ける大きな要因となる。
エラに掛かる場合
もっとも危険なパターンは、ルアーが魚のエラに掛かることだ。エラは魚が呼吸をするための重要な器官であり、ここにフックがかかってしまうと、魚が正常に呼吸できなくなり、速やかに死に至る可能性が高い。
エラにかかると、ルアーを外すことができても、既に致命的なダメージを受けているため、逃げた後に生き延びることはほとんどない。
口や顎に掛かる場合
魚の口や顎にフックが掛かった場合、その後にフックが外れることもある。特にバーブレスフック(かえしのないフック)は外れやすいので、魚が生き延びる可能性が高くなる。
体にかかる場合
体に掛かった場合は、フックが外れることが多いようだ。もし外れなかったとしても魚の体に深刻なダメージを与えることは少ない。最も多く見られるのは尾びれや背鰭にかかるケースであり、こうした場合は逃げるために泳ぎ続けても問題は少なく、最終的には傷口が治癒してしまうこともある。
フックでけがをした(?)シーバス(提供:TSURINEWSライター・井上海生)魚が逃げる過程でのダメージ
魚がルアーをくわえたまま逃げる過程でダメージが加わる可能性もある。強い引き込みで魚をバラした一瞬、フックが口や顎に残っている場合、さらに深く刺さることがあり、これが致命的な傷に繋がることもあるだろう。
また、逃げる際に周囲の障害物に擦れたり、急激な動きでフックが引っかかったりすることで、魚が体を傷つけることもある。そのため、逃げた魚が最終的に無事であるかどうかは、その後の運次第とも言える。
魚が生き延びるための要素
魚が逃げた後、無事に生き延びるためにはいくつかの条件が揃っている必要がある。
まずは、フックの種類だ。フックがバーブレスであれば、魚が逃げた際にフックが外れやすくなる。バーブ付きのフックは、外れにくく、深く刺さる可能性が高いため、魚にとって致命的になるだろう。
ショアジギングで仕留めたサゴシ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)ハリの耐力も条件の一つといえる。腐食によってフックが破損し、外れることもあるはずだ。特に海では海水によってフックの腐食が早いため、時間が経てば案外簡単にフックが外れるかもしれない。
しかし、これが生死にどれだけ影響を与えるかは、フックの材質や時間経過にもよるだろう。腐食が進むとフックが外れやすくなる一方で、傷口が広がったり、体内で炎症を起こすリスクもあると思われる。
また、魚の回復力も生死を分けるカギといえる。淡水魚や海水魚の中には、傷を癒す力が強い種もいれば、逆に弱い種もある――釣り人としては、ルアーをつけたまま逃がした魚の行方はそんな意味でも気になるところである。
釣りあげられてよかった(提供:TSURINEWSライター・井上海生)魚の生存をせめて祈る
ルアーが魚にかかり、そのまま逃げた場合、魚がどうなるかはさまざまな要因に依存する。フックがかかる位置やフックの種類、そしてその後の腐食などが影響を与える。
特にエラにかかる場合は致命的であり、口や顎にかかる場合でも、フックが外れやすいかどうかが重要なポイントだ。海水であれば腐食が早いため、フックが外れやすくなるが、完全に安全とは言えない。最終的には、魚が生き延びるためには運とその後の環境が重要であることがわかる。
自分のためにも外れるなよ(提供:TSURINEWSライター・井上海生)私などゲンキンなもので「ルアーだけでもせめて返してくれ」と海に嘆いたりするが、魚のほうは魚のほうでまた大変な、まさしく生死にかかわる問題なのだ。生存をせめて祈るしかない。ちなみに私の経験上、自分でルアーをつけてバラした魚がもう一度釣れたことは、一度もない。
<井上海生/TSURINEWSライター>


