2025年夏の高水温がもたらした意外な影響 魚よりベイトが直接的なダメージ受けたか

2025年夏の高水温がもたらした意外な影響 魚よりベイトが直接的なダメージ受けたか

ボーズ連発での青物ジギングでしたが、比較的活きエサ釣りは好調だったとか。様々な人の意見を聞きながらひとつの答えが出てきました。間違いない学術的な正解ではないですが、ジギング釣り人の言い訳的な答えとしては、当たらずとも遠からず。2025年は酷暑の日照で海水温が高くなり、長引く夏が、弱い生命体のプランクトンに影響を及ぼしたと考えるのが、妥当な線でしょう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)

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丸山明

ゴムボートから始めたひとり気ままなボート釣り、いつしか30数年のアラコキ。晩ごはんにおいしい肴が食べたいから釣ります。

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2025年は青物が不調?

過去を振り返ってみると、2023年も青物狙いのジギングが不調でした。10月頃はどん底だった覚えがあります。ところが、翌年の2024年は快釣でクリスマスまで狙った数だけ釣っていました。

今年も夏までは快釣で、釣り過ぎないように早上がりをしたくらいです。キャスティングのフラットフィッシュも数が出ないながらも、確実に釣っていました。

2025年夏の高水温がもたらした意外な影響 魚よりベイトが直接的なダメージ受けたかハマチ(提供:TSURINEWSライター・丸山明)

お盆過ぎから釣れなくなった

それが、お盆過ぎから何かがおかしくなり、9月後半は何が何だかでした。クマが出没するのもエサのどんぐりが凶作でないからだと、実のなるものに表年と裏年があると聞いています。どんぐり同様に、青物も裏表裏と推移しているのかと思いました。

のませ釣りは堅調だった

ところが、ジギングは、周囲も異口同音に違和感を感じていたものの、活きエサののませ釣りは、そこそこ釣れています。裏年ならば、活きエサ釣りもダメでしょうし、夏までの快釣もなかったはずです。だから、裏年ではないです。

高水温が長引いた

厳しい残暑で酷暑の高水温の下降時期が遅れ、水温が高いまま推移してしまいました。高水温が魚よりプランクトンに影響したのでしょう。後述の魚の適水温は、多少超えても対応幅はありますから、即グロッキーではないはずです。

魚より高水温の苦手なプランクトンやゴカイ類がグロッキーになってしまったのでしょう。プランクトンだけでなく、投げ釣り師の方々が、虫エサの保管に気を使うように、高温はゴカイの敵です。

エサ屋の虫エサ水槽は、年間13℃に設定しています。だから、イワシはプランクトンを喰いますが、アジはゴカイ類もかなりの好物ですし、シロギスなどは大好物です。

2025年夏の高水温がもたらした意外な影響 魚よりベイトが直接的なダメージ受けたかGT(提供:Pixabay)

ヒラメやマゴチ

フラットフィッシュのヒラメやマゴチも酷暑の後半、シャローエリアにいなくなりました。彼らのベイトのシロギスなどが、深場に移動したのでシャローエリアでいくらキャスティングしてもアタックゼロです。

プランクトンやゴカイ類に影響か

高水温で魚がグロッキーになったのではなく、プランクトンがグロッキーになったか避難したかで、ベイトなどエサになるものが移動したのが、要因だろうと推測します。ヒラメは暑いのが苦手ですが、青物やシロギスにマゴチは、夏の魚で耐性を持っています。

しかし、食べ物が逃げてしまった。遊泳力のある青物は、大きく回遊をしながらベイトを探しますが、遊泳力が乏しい白身群は、深場でベイトやゴカイを見つけているはずです。だから、いつもとは、様相が変わりました。

魚とベイトの適水温

魚の適水温は、イワシ 15〜25℃ マアジ 16〜26℃ ハマチ(イナダ) 18〜28℃ シロギス 18〜28℃ ヒラメ 13〜23℃ マゴチ 16〜26℃で、人間が18〜28℃ですが、これは快適な温度です。

2025年夏の高水温がもたらした意外な影響 魚よりベイトが直接的なダメージ受けたかマゴチ(提供:TSURINEWSライター・丸山明)

でも、プランクトンもゴカイ類も適水温は、10〜20℃とかなり低く、30℃近くなった海水温には適応できずに死滅したか移動したかでしょう。ベイトの存在は、そこにプランクトンがいるからですが、いつものカケアガリのポイントから魚探反応が消えました。

秋に多少回復

そして、秋になって海水温が落ち着き始めると、プランクトンが復活して、ベイトも戻り、青物の新しい群れが来ました。それでも、ベイトが存在する潮筋は限られていたので、容易ではない釣りでした。

青物の動き方

プランクトン密度が減少して、ベイトの密度も減少しましたが、青物は持ち前の高速遊泳で、どこかにいるであろうベイトの群れを定期的に回遊して探しています。

だから、回遊するであろう場所で活きエサの小アジを泳がしていたら、腹減りのハマチはパクっと疑いもなく食べます。本物の活きたアジですから好物で、活きエサののませ釣りは、不調だと言いながらもそれなりの釣果を得ていました。

ジギングはベイトありき

しかし、ジギングはそうはいきません。ベイトの群れの中でジグに興味を示すように動かしてこそ喰ってきますが、なにもいない海中で偽物丸出しで動かしても邪魔なだけです。

ジギングは、ベイトがいないと釣れない釣りです。その中でジグを躍らせて思わず喰わせる、活きエサのませ釣りより釣果を得ることは、ジギングなら普通にできます。負けません。

ジギングと活きエサ釣りでの優位性と劣位です。魚探反応にベイトが出ない海で、いくらジグを動かしても滅多に何かが生じません。フラットフィッシュが9月からこっち、ルアーにアタックしないのは、単純にサーフシャローエリアのゴカイが消え、それを食べる砂地の小物が深場へ移動したからです。深場へ行けば、釣れるでしょう。

2025年夏の高水温がもたらした意外な影響 魚よりベイトが直接的なダメージ受けたかイワシの群れ(提供:Pixabay)

来年は柔軟に釣る

今シーズンは学びました。来年から意地の一徹でジグを握らず、柔軟に活きエサに変更してのませ釣りをしますし、フラットフィッシュも深場で釣ります。頑なにこだわるより、おいしい晩ごはんをたらふく食べるのが一番です。

 

<丸山明/TSURINEWSライター>

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