アジングにおいて、バーブレスフックの使用を検討してみてほしい。これまでも豆アジに対してバーブレスが有効であることが知られていたが、近年では食い渋りを打破するための有力な手段として再評価されている。今回は、アジングにおけるバーブレスフックのメリットや、その効果について深掘りしていく。
（アイキャッチ画像提供：TSURINEWSライター・井上海生）
バーブレスフックとは？
バーブレスフックとは、針のかえし部分がないフックのことを指す。針先が鋭利でありながら、引き抜く際に魚を傷つけるリスクが減少するため、バーブレスの使用が推奨される場合がある。特に、繊細なアジの口にやさしく、針が外れにくくなる特徴を持つ。
なぜバーブレスが効果的なのか？
アジングにおいて、なぜバーブレスフックが効果を発揮するのだろうか。その理由として考えられるのは、バーブ部分が邪魔をすることなく、針先がアジの口内に自然にかかっていくからだ。
特に食い渋りを見せるアジ、または警戒心が強いアジに対して、バーブレスフックを使用することで、より多くのアジを掛けることができる、と筆者は感じている。
また、バーブレスフックは魚に対する負担が少なく、釣り上げた際のダメージを最小限に抑えることができる。ゲームフィッシングのとしてもアジングにおいても、針を外しやすくなるため、魚へのダメージが軽減される点は大きな美点である。
豆アジ用バーブレスフック（提供：TSURINEWSライター・井上海生）食い渋り打開のための工夫
アジが触るけれどノラない。あるいは掛かり切らない。そんな食い渋りを打破するために、バーブレスフックを使用してみてほしい。通常、アジが食い渋っているときには、噛んだエサを疑似餌だと判断するのがあまりにも早すぎて、ハリがかりが悪くなっているのだ。
しかし、バーブレスフックにすると、アジが口にくわえて「疑似餌だ」と判断した瞬間にはフックがすでに口元に掛かりやすくなる。特に、もともと食いが浅い小さなアジに対しては、その効果を実感しやすい。
豆アジはバーブいらず（提供：TSURINEWSライター・井上海生）また、バーブレスにすることで、フックを外す際に引っかかりが少なくなり、より速やかにアジをリリースすることができる。これにより、余計なダメージを与えることなく、釣りの楽しさを長く維持することができる。
GTフィッシングもバーブレスフック
バーブレスフックの利点は、ある「大物」にも昔からよく使われている。それが、「GT」。GTフィッシングでは、バーブレスフックが推奨されることが多い。
その理由は、魚の口が堅すぎて、フックのかえし部分が刺さりきらない場合があるためだ。バーブが原因でフックが軸に負担をかけ、破損してしまう可能性があるため、バーブレスの方が適している、という説がある。
シーバスやチヌにおいても同様のことがいえるかもしれない。大型の魚をターゲットにしたゲームフィッシングでは、バーブレスフックにすることで、フックの強度を保ちつつ、やり取りできる。
「外れやすいのではないか」と思う釣り人も多いだろうが、意外に外れなかったりするものだ。また、フックを外す際に無駄な力をかける必要がないため、リリースが容易になり、魚の生存率も向上する。
バーブレスフックの使い方
アジングには専用のバーブレスフックが市販されているし、すでに既存のフックをバーブレスにする方法もある。フックのかえし部分を、プライヤーでつぶしてしまえばいい。その際、ハリ先には力を籠めないように注意しよう。あくまで潰すのはかえしの部分だけだ。
もちろん、バーブレスにかえたからといって、その場の魚がいきなり食い始めるわけではない。あくまで乗せ掛けの効果を上げるだけなので、アジングにおいて重要なヘッドのウェイト選択は、より慎重に行いたい。そのうえでのバーブレス化だ。
ヘッドウェイト選定から（提供：TSURINEWSライター・井上海生）バーブレスフックは、アジングにおいて食い渋りを打破するための有力な手段であり、繊細なアジの口にやさしく、さらに確実に掛けるために効果的なアイテムである。これから有効活用していきたい。
＜井上海生／TSURINEWSライター＞
