バスロッドでは、リールシート前方にグリップが存在しない「フォアグリップレス構造」が一般的になっています。バス釣りは強烈な引き込みが少なく、抜き上げ動作も片手で十分こなせるため、フォアグリップの必要性が低い釣りです。本記事では、フォアグリップレス構造が採用される理由、メリット・デメリット、そして向く釣り・向かない釣りまで、バス釣りに特化して解説します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・盛田亮祐)
フォアグリップレスとは?
フォアグリップとは、ロッドのリールシート前方にある握り部分を指します。ソルトロッドやジギングロッドでは、ファイト時の支点として大きなフォアグリップが付くのが一般的です。しかしバス釣りでは、
・魚の引きが強烈ではない
・ロッドワークを多用する
・片手操作が基本
といった理由からフォアグリップを握る機会がほとんどありません。そのため 「不要な部分をそぎ落とす」=軽量化・感度向上を重視し、ほぼ全てのバスロッドがフォアグリップレス構造を採用しています。
バスロッドのほぼ全てがフォアグリップレス(提供:TSURINEWSライター・盛田亮祐)フォアグリップレスのメリット
ここからは、フォアグリップレスのメリットを解説します。
感度が上がり軽量化に寄与(提供:TSURINEWSライター・盛田亮祐)1. 感度が向上する
フォアグリップを排すると、ブランクスが露出する長さが増え、振動が手に伝わりやすくなります。特にライトリグやボトムの釣りでは、違和感レベルのバイトを拾いやすくなる点が大きな利点です。
2. ロッド全体の軽量化
素材の削減により、ロッド重量が数グラム単位で軽くなります。数グラムの違いでも、長時間の操作や繊細なロッドワークにおいて疲労の蓄積が大きく変わります。
3. デザイン面での自由度
フォアグリップレス化により、
・ブランクタッチ構造
・斬新なリールシートデザイン
・グリップ周りの細身化
など、メーカーの設計自由度が向上します。現代バスロッドの洗練された握りやすさは、この構造があってこそ実現しています。
フォアグリップレスのデメリット
ここからは、フォアグリップレスのデメリットを解説します。
1. 抜き上げ時の支点が少し不安
バスを抜き上げる瞬間、フォアグリップがあれば手を添えられて楽ですが、フォアグリップレスだとリールシート上部をつまむ形になるため力を入れにくい場合があります。とはいえ、バス釣りの負荷であれば問題になるケースは多くありません。
2. 手の大きさによっては持ちにくさを感じる
フォアグリップ部分が無いことで、リールシート前方が細めになります。
手が大きい人や、しっかり握りたい人には物足りなく感じることがあります。
フォアグリップレスの適性
ここからは、フォアグリップレスを採用したロッドで向いている釣りと向いていない釣りにはどのような違いがあるのか解説します。
軽さと感度が求められるスタイルに合う(提供:TSURINEWSライター・盛田亮祐)向く釣り
・ライトリグ全般(ネコリグ・ダウンショット・スモラバ)
・ジャーク・トゥイッチなど繊細なロッドワークが必要な釣り
・高感度が求められるボトム系ルアー
・巻き抵抗の軽いクランクやシャッド
軽さ・感度を最大限に活かせるジャンルで性能を発揮。
向かない釣り
・ビッグベイト・ジャイアントベイトなど
・ヘビーカバーでのパンチングなど
高負荷がかかる釣りでは、手を添える支点が欲しくなる場面があります。
選び方のチェックポイント
ここからは、フォアグリップレスロッドを選ぶ際のチェックポイントをお伝えします。
1. ブランクタッチの有無
感度重視なら、リールシート前方にブランクが触れる部分があるか確認しましょう。
2. 握りやすさ
フォアグリップレスは細身になるため、自分の手に合う太さかどうかが重要です。
3. 使用ルアーウェイトとの相性
軽いルアー中心なら恩恵が大きいですが、重いルアー中心なら少し不安を感じやすくなります。
4. 全体バランス
軽すぎると前方が軽くなりすぎ、ルアー操作で疲れる場合もあります。自分の釣り方に合ったバランスかどうかを実際に持って確認することが大切です。
バス釣り向けなフォアグリップレス
フォアグリップレス構造は、軽量化と感度向上を最優先するバス釣りに最適化された設計です。とくにライトリグやテクニカルな釣りでは大きなメリットを発揮します。
一方で、抜き上げ時の支点不足や、パワーゲームでのホールド感の弱さといったデメリットもゼロではありません。
しかし総合的に見ると、バス釣りのスタイルには非常にマッチしており、今後もフォアグリップレスは主流であり続けるでしょう。
<盛田亮祐/TSURINEWSライター>


