静岡県内には無料で遊べる釣り場が多数あり、浜松市浜名区にある西の谷池もその一つ。元は農業用ため池だが、地元有志によってヘラ釣り場として整備され手軽に誰でも竿を出せる。小ベラの数釣り場を想像しがちだが、ここはアベレージサイズがいい。尺級は当たり前で、なかには尺2寸クラスも交じる。どの魚もコロッとして体高があり尾も健全。そのため強い引きを楽しめるのも同池の魅力だ。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部)
西の谷池の概況
西の谷池は静岡県浜松市浜名区にある農業用ため池で、近隣住民の洪水対策も担っている重要な施設。そこを間借りし有志が集まり同市から許可を得て、桟橋の設置、新ベラ放流、トイレ、駐車場などを整備している。
なお新ベラ放流や桟橋整備などは日研ならびに地元有志の皆さんが手がけている。無料で遊べる釣り場ではあるが、だからこそ釣り場を汚さず魚を大切に扱うのが、釣りをさせてもらっている立場の人に与えられた最低限のマナーと心得たい。何なら放流資金の寄付(放流協賛金への協力)もぜひお願いしたい。
西の谷池の概況(提供:週刊へらニュース編集部)10月20日現在、水位は満水から約20cm減。若干だが濁り気味なので、水温が上がる午後ほどタナが上がりやすい。
釣況は宙釣りのいい人で10~20枚前後。型は尺級がアベレージで尺1寸~尺2寸も交じる。逆に7~8寸の小ベラは姿を現さないが、今後新ベラ放流があれば釣況は一変するかもしれない。
ポイント
水深はどこも満水で2本弱、エン堤に近づくほど若干深くなる。
人気の北側階段護岸エリア
一番人気は北側駐車場前の階段護岸で4~5人が入釣可能。頭上には新東名高速高架橋があり大きな陰をつくってくれるので、真夏の日中は暑さ対策にもなる。ただし真冬は逆に寒いかもしれない。なお西側にも階段護岸があるがアクセスが悪く人気はないらしい。
東側の既設桟橋(提供:週刊へらニュース編集部)ところで駐車場前階段護岸とそこからつながる道路側の一部は、水面下がコンクリートの段になっていて、短竿だと段の肩にハリが引っ掛かる可能性がある。段の終端より沖を狙うのが定石で、常連は宙釣りなら竿13尺前後を使う人が多い。底釣りであればさらに長い竿が必要か。
エン堤付近(提供:週刊へらニュース編集部)東岸の桟橋エリア
次点は東岸に連なる道路側桟橋。万力を取り付ける受け木が設置され座面もほぼ水平なので、あぐらスタイルの人なら釣り台は不要。ただしパラソル万力を取り付けるほどの強度はなさそうなので、パラソルを使用する際は別にひと工夫が必要だろう。
西側の既設桟橋(提供:週刊へらニュース編集部)静かに釣りを楽しむ西岸桟橋
西岸にも既設桟橋が並んでいるが駐車場から遠いので入釣者はまばら。そのため人災は少なく、静かに釣りをしたい人にはうってつけだ。
日陰が心地よい夏の東岸桟橋
東岸エン堤寄りの森を挟んだ両脇にも既設桟橋がある。とくに北側は夏場に日陰になりやすく人気があったようだが、これからの時期は逆に寒いかもしれない。
釣り方とエサ
竿規定、タナ規定はなし。フラシ規定などもないが、できればノーフラシに協力を。
秋は宙釣り・両ダンゴが主流
10月20日現在、宙釣り有利で底釣りをするとモクズガニにいたずらされる。その宙釣りだがエサは今のところ両ダンゴが主流。しかし今後水温が下がれば、力玉や感嘆などのセット釣りに移行するだろう。
竿の長さとタナ設定のコツ
竿は11~12尺以上を振りたい。取材時、記者は9尺で始めたがアタリが出ず、11尺に変更後はよくアタるようになった。タナは1本強が主流だが、初めての人はまず底ダテすることをお勧めする。水深を正確に把握したうえで底上20cm程度からスタートし、魚の状態に合わせタナをエレベーターさせるといいだろう。
北側桟橋でヒット(提供:週刊へらニュース編集部)これ以上のアドバイスは釣技レベルの低い記者には不可能。よって以降は東京圏から遊びに行った際の楽しみ方を紹介しよう(笑)。
釣りのあとは浜松グルメを堪能
記者もそうだったがせっかく浜松まで出張ったのだからご当地グルメは楽しみたいもの。そこで帰路は新東名高速上り浜松SAを利用してはいかがだろうか。
たんに同SAのスマートICを利用すると施設利用はできず、本線に合流するしかなくなる。であれば浜松SA付随の「ふらっとパーク」に車を停めよう。これで施設利用が可能になり、餃子や鰻などの浜松グルメを楽しめる。
うなぎパイなどのお土産を購入したら、同パークを出てスマートICから乗れば東京へと戻れる。釣行メモ記載のインター利用に比べ高速料金は若干割高だが、西の谷池からの距離はむしろ近くなる。
なお浜松SA下りにもスマートICがあり、ここから流出したほうが同池へも近いし道順も分かりやすい。
<週刊へらニュース編集部>
西の谷池
入釣料:無料。釣り台必携。

