東京都墨田区を東西に流れる北十間川は、旧中川と江戸川を結ぶ全長3kmほどの運河。このうち東京スカイツリー周辺はハゼ釣り場として有名。水路は親水公園として整備されており、盛期になると両サイドに設けられた遊歩道から竿を出す釣り人の姿が多く見られる。今年はどんなものかとシーズン目前の6月28日(土)に様子を見に出かけた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・岩井一彦)
スカイツリー下でハゼ釣り
11時過ぎ、とうきょうスカイツリー駅に到着。梅雨の晴れ間で蒸し暑い陽気。駅前から水路沿いの遊歩道に降りると下流に噴水が見える。釣り人は下流のおしなり橋の周辺に集まっており、噴水周辺には珍しく釣り人の姿がない。
スカイツリー(提供:週刊つりニュース関東版APC・岩井一彦)噴水は水中に大量の酸素を送り込むので、特に暑い時期は魚の寄り場となる。また人にとっては涼をとれる場所。そこで、今回は噴水周辺を探ってみた。
タックルは3.2mのノベ竿にミチイト0.6号を竿いっぱいに結ぶ。ハリは細地ソデ2号でハリスは0.4号7cmをチチワで接続。ウキは軸付きセル玉ウキ8mmをゴム管止めした下に中通しセル玉5mmを2個付け、0.2mm厚の板オモリでウキ全体がゆっくりと沈みきるように浮力を調整。ポイントの水深に応じてトップのウキが水面下5cmくらいにあるようにすると、アタリが読みやすい。エサはホタテと赤虫を使用。
マハゼ顔見せ
噴水の近くに藻場があり、クリアな水中にボラの幼魚と思われる小魚が群れてキラキラと光っていた。ハゼもいるものと思い、ホタテエサで水深60cmの藻の間にエサを落とす。するとウキがひん繁に動くが、エサばかり取られてハリに乗らない。
噴水周りが好ポイント(提供:週刊つりニュース関東版APC・岩井一彦)赤虫1匹を通し刺しにして釣るとすぐにハリに乗るようになり、6~8cmのこの時期としては型がいいマハゼを3連釣。この調子なら数釣りを期待したが、なぜかその後はさっぱり。
10分で切り上げ、ちょうど日陰になっている右岸の噴水前に移動。噴水の落ち水周辺を探ってみた。水深は川の中央で1m程度、噴水のノズルが出ているヘチ寄りで80cm程度。東にゆっくりと流れている。
最大9cmがヒット
川の中央寄りの落ち水の周りに仕掛けを振り込み、流れに乗せながら底を小突くように手前に竿を引いてくる。すると、ハゼがハリ掛かりしたシグナルであるブルブルとした感触が手元に伝わる。すぐに強い引き込みに変わり、小気味いい引きを楽しみながら抜き上げると、当日最大の9cmのマハゼがエサの赤虫をしっかりくわえて登場。1投目から良型が釣れるとは驚き。
次はウキがナジむ間もなく、斜めに水中深く沈めて8cmが釣れた。その後もさまざまなアタリで7~8cmの良型がぽつぽつと釣れた。アタリがあったら即アワせたほうがハリ掛かりがよく、またハリを飲み込まれることもなった。良型は落水がある川の中央付近でよく釣れた。
ヘチの流れのタルミではひん繁にアタるが、型は6cm前後と小さかった。この噴水ポイントで1時間くらい粘り、20尾ほどカウントしたところで、12時30分過ぎに竿をたたみ、下流の様子を見に向かった。
魚影濃く今後も楽しめる
おしなり橋と京成橋の下に釣り人がいたが、どこもチチブなどのゲストが多く苦戦している様子だった。噴水があるポイントに入って正解だったようだ。また赤虫エサの効果もあったのかもしれない。
浸水公園として整備されている(提供:週刊つりニュース関東版APC・岩井一彦)当日はあくまで下見が目的だったのでクーラーは持参せず、キャッチアンドリリースを繰り返した。短時間でこれだけ楽しめるとは思わなかったので残念。北十間川の夏ハゼはすでにシーズンに入っているものとも感じられた。
魚影は濃そうで、今後も数、型が楽しめそうなので次回はクーラー持参でじっくり釣ってみたい。なお、遊歩道から竿を出すため、通行人の邪魔にならないように注意されたい。竿を振るときは常に周囲の安全を確認してほしい。
<週刊つりニュース関東版APC・岩井一彦/TSURINEWS編>
北十間川


