梅雨入りしたかと思ったら、真夏を思わせる猛暑の到来。暑すぎる毎日だが、そんな季節を代表する魚がキスだ。投げ釣りの代表的なターゲットだが、船やボートで狙えば数も型も段違いに伸びる。今回はそんな船キスの実釣記及びハウツーを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
船キスのシーズン
キスは夏を代表する魚だが、5月GWを過ぎるころから釣果が聞かれ始める。今年は水温の上昇が遅かったこともあり、若干だが遅れているようだ。それでも6月に入ると、三重県津市~松阪市にかけてのサーフでは投げ釣りで好釣果が聞かれるようになったし、遠州灘に面した渥美半島の海岸でも、開幕の報が聞かれた。
盛期は7~8月。9月後半になると、深場に落ちる前の落ちギスといわれるシーズンとなる。型が良いのが落ちギスの特徴だが、この季節を境に数は下降線をたどっていくようになる。
のんびりした雰囲気(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)今回お世話になった三重県松阪市松名瀬港の丸安丸では、6月から9月いっぱいがキスのシーズン。10月からは鳥羽市小浜に基地を移し、タイラバ専門船となる。一番良いシーズン中、一番魚影の濃いエリアに案内しているシステムなのだ。
タックル
さて、船キスのタックルだが、場所によって若干違いがある。丸安丸の場合、水深5m以浅のポイントがほとんどで、使うオモリも10号以下がメイン。そのため本格的な船ザオは必要ない。もちろん船キス用のサオがあれば文句なしだが、短めのサオが取り回しがいいため、6ft以下のバスロッドやコンパクトロッド、ティップランロッドがお勧めだ。
キス釣りのタックル(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)リールは小型スピニングに、ミチイトはPEライン0.8号を100mほど巻いておく。PEラインをそのままテンビンに直結すると穂先やテンビンに絡みやすくなるため、先イトとしてフロロカーボンライン3~4号程度を50cmほどつないでおく。
仕掛け
仕掛けは全長が短いほど扱いやすい。全長60cmまでがお勧めだ。ハリ数も2本、多くても3本までにしておこう。キスはオモリからエサが離れているほど食いが良い。警戒心が薄れるからだ。
だがやたらと長い仕掛けは考えもの。できるだけ短めの仕掛けで、まずトラブルが少なくすることを心がけたい。
最初は市販の仕掛けで十分だが、市販仕掛けは必要以上に細いものが多い。仕掛けが海底にべったり寝るキス釣りでは、ハリスやミキイトの太さは、ほとんど食いに関係がない。
自作するならハリス2号、ミキイト3号以上がお勧め。仕掛け自体がシャンとして、テンビンに絡んだりすることもほとんどない。
ハリはキスバリや流線の8~9号。ピンギスを避ける意味でも、9号程度を使いたい。「アタリがあっても掛からない~」ということが多発すると思うが、掛からないのはピンギスだと割り切って釣っていこう。
エサはイシゴカイ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)テンビンはアーム長20~25cm程度の片テンビン。オモリは各海域によって違う。今回釣行した松名瀬沖では8号をメインに使ったが、乗合船などでは20~30号を使うことが多いようだ。
石粉を付けるとすべりにくい(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)エサはイシゴカイ一択で良い。船によっては自前で用意しなければいけないので、必ず事前に確認しておこう。
松名瀬沖の特徴
今回釣行した松名瀬沖は遠浅の海岸が続き、深くても6~8m程度。ほとんどが5m前後の浅場がポイントとなる。また春にアマモが繁茂するエリアであり、夏はそのアマモが枯れてくる。そのアマモ際を攻めるのが定石だ。その枯れかけたアマモをタイトに攻めるほど、キスの数も型も上がる。
ナギの海でのんびりと(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)根掛かりが多いのでは……と思われるかもしれないが、実際仕掛けをロストすることはほとんどない。アマモに引っ掛かっても、枯れかけているため強めに引けばほとんどの場合外れてくれる。


