ひときわ寒かった2月が終わり、3月に入ると暖かい日も増えて、春の釣り日和になる日も多い。もちろんそんな「春」を感じる瞬間は、いつも釣りをするポイントでも多く見ることができる。とかく釣り人は、釣れる魚で季節を判断したりするが、この記事では魚以外の季節の変化に注目してみた。はたしてどんな春を見つけられるのだろうか。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・宮坂剛志)
川沿いに春を見つける
では、さっそく釣り場で見つけられる春を、筆者の得意な河川の釣り場を中心に見ていこう。
花(梅や桜)
これは別に釣り場だけではないが、桜などは川沿いに咲いている所が多い。梅は比較的寒い時期に見られるが、桜などは、早くて3月下旬だ。中でも河津桜という種類は、2月中に咲いているのが見られる。
これが咲くと、そろそろバチ抜けが始まる合図にもなる。

鳥類
カモやバンなどは、真冬にも見られるのでお馴染みだが、サギやムクドリなどが活発に動き出すのは暖かくなってからだ。カワセミなんかもそうだ。浅い河川などでは、潮が引くと大小様々な野鳥が集ってくる。寒い時よりも、あきらかに数が増えてくると春を感じるものだ。

風(春一番)
これは誰にでもわかる変化だが、釣り場にいると普段の町中よりもはっきりと感じる。頬を切る冷たい風から、生暖かい何とも言えない風に変わる瞬間がそれだ。
しかもこの時期は、春一番などの突風や強風が吹くこともあるので、釣りには注意が必要だ。そして、春の風には「匂い」がある。それは工場等の嫌な臭いではない。土や植物の独特な季節感を感じる匂いだ。

魚の釣れ出す合図に注目
一方、陸から川に目を移してみると、水面と水中にも変化がある。梅や桜が咲き出すと、小さいエビやカニ、フナムシなどが動きだす。これらが見えたら、シーバスやクロダイが釣れ出す合図だと思っていい。

さらに水の色も、透明度が高かったクリア色から泥質の川底は茶色となる。水面も風春一番などが吹き荒れ、濁りと同時に風で飛ばされた草木のゴミが大量に浮かぶ場所もある。これもこの季節独特の風景だ。水面と水中、両方を注意深く見ていれば魚が釣れる合図が自然とわかってくる。

季節の変化の注意点
さて、最後に季節の変わり目に注意しなくてはいけないことを簡単に書いておこう。暖かくなったり寒くなったりと、最近は気温の乱高下が激しいが、こうなると体がついていかないものだ。見た目何ともなくても、確実に体はダメージを受けているものだ。特に腰や膝などは要注意で、一度壊すと、魚が釣れているときでも休まなくてはいけなくなる。つまり、春の一番良い時に釣りに行けないという苦痛が待っている。なので、暖かくなって何となく気分が上がってきても油断してはならない。花粉症の人も同様に釣りなど行けないだろう。
気が付けばもう3月。陸にも水の中にも確実に春が来ている。体調管理には気を付け、花や鳥を眺める余裕を持って、今年も釣りを楽しみたいものだ。
<宮坂剛志/TSURINEWSライター>