釣り人の手元にはどうしても不要なタックルが溜まっていく。何も気にならないなら置いておけばいいのだが、ずっと使わないままだと、型落ちしていって価値がなくなる。「いつか使うとき」がもう来そうにないなら、処分すべきだろう、でも……。そんな思いの間で揺れ動くなら、最終的には「売る価値があるのか」で判断すべきだ。今回は、使わないタックルの「処遇」について、筆者なりの考えを述べたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
使わないタックル溜まってない?
浮気な釣り人の手元にはもちろん、特定の釣り物一本筋のアングラーの手元にも、いつしか使わないタックルが溜まっていたりする。筆者も通年ライトゲームのアングラーなので、アジングロッドとメバリングロッドがあれば十分なのだが、アジングロッド3本、メバリングロッド1本、そしてほとんど使わない遠投用のLTロッドが1本ある。よく使うのは2本だ。3本余っている……。
これでも私は、ミニマリストを自負している。しかし、釣り具に関してはこの有り様。もしかしてほかのみなさまは、もっと多くのタックルを余らせているのではないだろうか?そのタックル、本当に今後使うことがあるだろうか?思い入れがあるなら、持っているべきだろう。でも、そうでないものは?そして、今後の実用性に乏しいものは?どのような処遇を下すべきだろうか。
処分の判断は「売る必要があるのか?」
この手の使わないタックルは、まずリセールバリューを考えるといい。リセールがいいなら、さっさと売ってしまうべきだ。ロッドもリールもまだ一世代前のものならば、購入時の半額くらいにはなるだろう。それを売って、次に買う道具のはずみ、ないし貯蓄とすればよい。
リセールバリューが大きな問題とならない人は、「売る必要があるのか」をもう少し具体的に考えてみよう。持っておいても肥やしになるだけ、という言い方があるが、肥やしとは考え方によっては良いものでもある。筆者もあえて持っている貸し竿がある。そのような用途にもいい。
アップグレードは考えるなかれ
どういうわけか、使わない道具なのに、その最新版が出ると、「アップグレードしたら使うようになるんじゃないか」という考えをする人もいる。私も実はそのクチである。
だが、これはやはりしないほうがいい。たとえば、私は遠投用のLTロッドを主にタチウオに使っているが、今年はタチウオをしていない。一度使うために持ち込んだのだが、その日はちょっとした事情があって早めに引き返さなければならなくなった。要するに、どうやら使わない運命に半分くらいは決まっているらしい。
アレもコレもと釣りの幅を広げようとすると、釣りの密度が薄くなっていけない。どの釣りも上達しないし、飽きてすぐにやめてしまう。使うタックルを徹底的に使いこんで釣りまくるほうが良い。
エキスパートは「あえての断捨離」を
釣りのエキスパートは「自分のメインの釣り」で何でもやってしまう。エギングアングラーはそのロッドでシーバスもタチウオも青物もできる。そのようなとある専門魚種のエキスパートは、あえて、使わない本流でないタックルは始末してしまったほうがいい。自分で退路を断って、メインの釣りにのめりこみながら、ゲストとして狙える魚種もやってしまうのだ。
すべての釣りが1タックルで完結してしまうほどラクなことはない。ライトゲームアングラーの筆者の場合、アジングロッドで何でもやってしまう。アジングにはエステルライン、その他の中大型ゲストまで見込んだ釣りではPEライン0.3号、1台のリールに2つのスプールを用意して、あらゆる釣り物を狙う。それ以外は要らないので、処分する。そういった思い切りのよい「あえての断捨離」もアリだ。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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