全国的に盛り上がっているオフショアのタチウオ釣りだが、筆者のホーム駿河湾も例外ではない。様々な釣り方がある中で、釣具のイシグロが考案した『サーベルテンヤ』という釣りも楽しまれている。さらに、より手軽な『サーベルカブラ』という新釣法も最近提案された。オフショア初心者でも楽しめるこれらの釣りを、イシグロ富士店の山本さんに解説して頂いたので紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター黒犬ちこり)
釣具のイシグロ
この釣りを考案した釣具店「イシグロ」は東海地区を中心に26店舗を展開する釣具チェーン店。70年を超える歴史を持ち、新品の販売のみならず中古釣具や自社ブランド商品、魚用の料理用品や調味料、さらにはロッドビルディング・修理まで手掛けている。
特にロッドビルディング・修理は他社にはない強みで、竿のトップ折れなど簡単な修理は持ち込んだその場で対応してくれるし、ガイド全交換やグリップの延長などの大掛かりな加工、メーカー廃盤品の修理なども自社工房にて対応してくれる。ロッドビルディングも工房の専門スタッフが相談に乗ってくれるので初心者でも安心して挑戦することができる。
釣りに精通したスタッフも多く、紹介する「サーベルテンヤ」「サーベルカブラ」もそんな釣り好きスタッフが駿河湾で考案した釣り方である。
サーベルテンヤ・カブラの魅力
筆者はこの釣りが好きで次の点が魅力的だと思っている。
タックルがライト
使うテンヤやカブラが100g前後なのでタックルが軽いのが最大の魅力。軽い分身体の負担も少なく小さなアタリも分かりやすい。細糸なので1匹ごとのやり取りもスリリングに楽しむことができる。
安定して釣れる
爆発的に数釣りしたり大型を選んで釣るよりも、安定してタチウオを釣ることが得意。テンヤ釣りとジギングの中間に位置するイメージで、釣果がどちらかの釣り方に偏っているときでも釣り続けることが多い。
釣り方が簡単
サーベルテンヤは「指示ダナの上から落としてステイ」を繰り返すだけ。サーベルカブラは「指示ダナの下から水面までただ巻き」し続けるだけ。
釣り方が非常に簡単で、難しく考えなくても基本動作の繰り返しで釣果を上げることができる。筆者は船釣り初めての方とサーベルテンヤをやったことがあるが、その方も30本以上釣ることができた。
ゲーム性が高い
簡単に釣れるのだが、数を伸ばそうとするとゲーム性が高くなる。
ヘッドカラーやサイズの選択、重点的に攻めるタナの探り方、落とし込みや巻き上げの速度、ステイの間隔、アタリが出てから食い込むまでの対応などなど……。
それまで全く当たらなかったのに状況に合わせると急に入れ食いになることもあり、その試行錯誤が楽しい。
これだけ魅力的な点があるのだが、デメリットとしてはどうしてもロストが出てしまうことがあげられる。タチウオ釣りはどの釣り方でもロストは出てしまうのだが、環境意識が高まってきた昨今ではやはり気になってしまう。
サーベルテンヤのタックル紹介
タックル例は写真の通り。初心者でも挑戦できるよう以下に説明していく。
ロッド
タイラバ、イカメタル、ティップラン、一つテンヤ、エギング、バス等々……。2m(7ft)前後であれば幅広いロッドを使うことができる。ポイントはティップで、向こう合わせの釣りになるので頼りないほど柔らかいティップが良い。夜釣りなのでティップに色が付いている物が最高。
イシグロ自社ブランド「Tsulino」から専門ロッドが出ておりスペックの割にリーズナブルなのでおススメ。タイラバなど他の釣りにも流用でき筆者も愛用している。
リール
スピニングでもタナを取れれば問題ないが、初心者はベイトリールが圧倒的におススメ。カウンター付きの物が扱いやすく、夜釣りなのでバックライト搭載モデルが分かりやすくて良い。リールへの負担は比較的低いので高価なモデルでなくても大丈夫。
ライン
メインラインはPEライン0.8号が標準。それにナイロンリーダー5号2mをFGノット等で結束し、切られ対策にバイトリーダー(先糸)としてフロロカーボンライン10号30cmほどを電車結び等簡単な結束で取り付ける。
更にケイムラパイプで切られ対策を施し、簡単にサーベルテンヤを交換できるようスナップを取り付ける。
サーベルテンヤ
56g、75gを中心に3~5個程度必要。どうしてもロストしてしまうので多少予備があった方が安心。フルグローをメインにピンクゼブラグロー、ホロパープルが鉄板カラーとなる。
エサ
サンマの切身が圧倒的に高実績。汎用品でも構わないが専用の物も発売されており、片側がフラットで長さもありサーベルテンヤの姿勢を良くしてくれるので使い勝手が良い。6時間の釣行で2パックあれば安心との事。サンマ餌禁止の地域ではサバ短冊やコノシロなどでも代用可能。