おせち料理には酢ダコ、やわらか煮と欠かせないマダコ。東京湾周辺の手釣り釣法を主に、茨城地区のエギ釣法を加えて、タコの下処理、正月お勧め料理まで簡単に解説しよう。
マダコの習性
釣り人にとっての調達先は東京湾周辺、茨城地区がメインとなる。
マダコのシーズンは夏期6~8月と冬期の11~1月の2回。型は冬期の方が比較的大きい。東京湾も冬の低温を嫌い、湾奥から湾口に移動する。
茨城地区もまた、居着きに替わって、産卵回遊で2kg前後の大型の渡りダコが多く、ときには3~4kgクラスも浮上するのが特徴。
その釣法は手釣りイトにテンヤを付けた従来の釣り方に加え、茨城地区では専用のエギを使い、竿で狙う新スタイルが登場してにぎわいを見せている。
手作りタックルについて
通常、出船船宿で貸し道具は常備されている。ここではマダコ用のタックルを幾つか紹介していこう。
1.マダコ用手釣りイト
組イト、または網イトと呼ばれる、編み込まれたイトで太さは20~30号。根掛かり対策として大型スナップを付け、テンヤとの接続に先イト、ナイロン16~30号1~1.5mを結ぶ。
2.タコテンヤ
東京湾周辺のタコテンヤは50~60号。茨城地区は120号前後使用。
3.マダコ釣りのエサ
イシガニが一般的。カニの付け方は縦、横は大きさにもよるが、どちらでもいい。
ただ縛り方の注意点として、腹を表にして掛けバリから離し、オモリ寄りに付けるようにする。タコベイトや集魚板などを付けたりと、タコへのアピールを工夫するのもいい。
なお、茨城地区はサンマエサが一般的。
タコテンヤ釣り方
基本的にテンヤは船下に下ろせばいい。
着底したら小突きを開始。テンヤを底から離さないこと。指にかけたミチイトを3~10cmほどの幅で小刻みにシャクって動かす。
頻繁に新しい場所にテンヤを入れ直すため、20~30回ほど小突いたら、一度大きく聞き上げて、再度落とすようにする。
根周りの場合、起伏に合わせて小突かないと根掛り必至。そのため、掛けバリを立て気味にして、まめに底ダチを取り、上下に小突くようにする。それでも根掛りした場合は、強く引かずに軽めに引いては緩めたりして見るようにする。
アワセと取り込み
小突く指先にジワッと重みを感じたら、腕を海面に向けて大きく伸ばし、ひと呼吸待って鋭くミチイトを上げて大アワセ。
注意点として、冬場のタコは夏場と違い動きは鈍いためしっかりと乗せてからアワせたい。
大アワセのあと、ミチイトを張ったまま腕を下げずスムーズに手繰り上げる。テンヤバリにはカエシがないので、イトを緩めるとバラしてしまうので注意。