桜が満開となり乗っ込みが本格化。そんなこれからの時期、ひときわ面白そうなのが茨城県南東部を流れる常陸利根川だろう。古くから「大型の常陸」と言われ、40上はもちろん尺半クラスも狙える激熱スポット。広大な水面を眺めながらの釣りは豪快で、水深があるので釣趣もバッチリ。ほぼ全域に渡って水平護岸で、足場がいいのも嬉しい限りだ。今回は下流部となる、神栖市周辺に的を絞って紹介する。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュースAPC・中村直樹)
常陸利根川の概況
霞ヶ浦(西浦)吐水口から利根川を結ぶ流長約27kgの一級河川。国が定めた表記では北利根川・外浪逆浦も常陸利根川に含まれるが、釣り人の間では外波逆浦~利根川までの間を『常陸利根川』と呼んでいる。
例年3月下旬から釣れ始め、乗っ込み期となる4月中旬~5月にピークを迎える。地元の先輩方からは「フラシが持ち上がらないほど釣れた。フラシがパンパンでフラシが立った」など、数々の逸話を聞かされている。
近年はアメリカナマズやダントウボウといった外来魚が増えて釣り人が減ったが、それでもこの時期だけは話が別。県外から訪れるファンも少なくなく、連日のように多くの釣り人でにぎわう。
現況はポツポツと釣れ出した状態で、片手が御の字と言ったところ。だが今後、気温・水温が上昇すれば、釣果はどんどん上がってくるだろう。
ポイント
常陸利根川のポイントを紹介しよう。
ロンツー前
浅場を控えた乗っ込み場で、下小堀排水機場前でタチが1本弱。上流に向けて深くなり、水門から200m上流の看板前で3本近くになる。例年GWごろが狙いめだが、今期は3月下旬から釣れ出している。
ちなみに聞き慣れない「ロンツー」とは、河川時期内にある湿地帯を巡って、かつて神栖村と小見川村が「論争」になったのが由来。
高浜地区
障害物となる高浜テトラ(水中テトラ)や台船などがあり、多くの魚が居着いている場所。特に台船の両サイドは、必ず人が入る人気ポイントだ。タチは3本~3本半。5月の後半になると、水中テトラの上を狙った宙釣りが面白くなる。
萩原地区
北・南岸ともに萩原テトラ(水中テトラ)が入っていて、多くの魚が居着く人気ポイント。北岸は18尺以上の竿でテトラの先を狙う。
逆に南岸は超長竿でないとテトラの先には届かないので、12~13尺竿でテトラの上を狙う宙釣りが主流。
日川テトラ
海洋マリーナ前がもっとも深く、年間を通して釣り人が多い。魚の着きもバッチリで、常に安定した釣果が望める鉄板ポイント。タチは4~5本で水門上流の白ポール前が最深部。テトラの両サイドも人気。