今シーズンはイサキの長期間の釣れ盛りと猛暑の影響で開始が遅かったものの、連日絶好調が続く伊勢湾のウタセ五目釣り。11月4日は中潮。愛知県・南知多町師崎港のまとばや丸で出港した。同行者は友人である小原さんだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・鬼頭佳嗣)
絶好調の瀬木寄瀬!
状況判断に定評のある山下貴三船長の第十一まとばや丸は、定刻の午前7時に出発。「現在、伊良湖沖はあまり釣れないので、神島の沖付近で釣りますね」とアナウンスがあった。約40分で神島南西方向にある瀬木寄瀬に到着。
今は雲が多いものの、晴れてくる予報。海上はベタナギで釣りやすい。釣り座は左舷ミヨシから私が2番目、小原さんの順に並んだ。
私のタックルは、サオはダイワAブリッツネライ・EのMH240、リールはシマノフォースマスター600、PEライン2号。
配られた仕掛けはミキイト5号、枝間70cm、ハリス3号50cm、オキアミ専用バリ2号の3本バリの胴つきだ。オモリは60号を使用した。
私はより良い釣果を求めて、穴が大きいビーズを使用して枝ハリス交換を容易にし、ハリスのフロロカーボンを高質化及び長くした上で小バリにした自作仕掛けを使用している。ミキイト3号、枝間70cm、ハリは伊勢尼5号、枝の長さ55cm、ハリスはシーガーFXR船2号を使用している。
エサのウタセエビは尾羽を切り、そこからハリを刺して腹側へ抜くのが基本だが、私は尻尾切りの手間を省いた効率とエビの遊泳姿勢保持を重視して尾羽を切らずに残したまま、その付け根からハリを刺し腹側へ抜いている。
小ダイ入れ食いの高活性
午前7時45分ごろ、「水深25mです。たまに根掛かりがあります。どうぞ始めてください」と合図があった。着底後、隣と絡まないように留意して、仕掛けをたるませる。潮にナジんだ後、ゆっくり巻き上げた(これが誘いになる)瞬間、コココーンとアタリで、17cmの小ダイ。
次投も小ダイのダブル。小原さんが「釣れましたよ」と20cm強のカサゴを見せてくれた。今度はグングンと強い引き込みで20cm強の2年生小ダイを私が釣った。小ダイは入れ食いの高活性だ。
そんななか、小原さんは20cm強のベラを釣り上げた。「こんなに小ダイが入れ食いなのにどうして別の魚が釣れるんですか?」と私が笑う。そして「やっと小ダイです」とダブルゲットで小原さんが笑顔で答える。
とにかく小ダイの魚影は濃く、船中至る所でピンク色が舞っている。食わせる技術よりも「手返しの速さ」で釣果に差が出る状況だ。私は小ダイを10連発後にやっと?エサだけ取られて初めての空振りとなった。
カワハギ&ガンゾウビラメも登場
午前8時30分ごろ、「右前の方、シオ(小型のカンパチ)を釣りました」とアナウンスが入った。同時に「ちょっと引きが違います!」と小原さんが言う。ワクワクして見守ると、20cm強の良型カワハギを釣った。
続いて私にも鋭い引きでサオが曲がる。シオかカワハギか期待したが、小ダイの3重連……。ガッカリだ。
午前9時30分ごろ、小原さんの「すごく引きますよ!」と声の方を向くと、サオが満月に弧を描いている。中乗りがタモを準備して見守る。茶色の魚体が水面下に見えた。35cmのガンゾウビラメをネットイン。周囲からも歓声が上がった。「やりましたー」と、小原さんは満面の笑顔だ。
小ダイのすさまじい荒食いは続いているが、リリースサイズも多い。午前10時ごろにキープだけで27匹となり、帰宅後の調理の手間が怖くなった。小休憩を兼ねていったん釣りを止めて、ウロコ取りに専念する。
午前10時30分ごろ、船長が「もう少し型が大きいと良いのですが、皆さん小ダイをたくさん釣られました。サイズアップと他魚種を狙って大きく移動します。左舷の方は波をかぶりますのでキャビンに入ってください」と説明があり、別ポイントへの移動となった。