先日来の釣行で、大阪湾奥の海が夏の雰囲気をまとい始めたと感じた。シーバスがほとんどキワから姿を消し、メバルもいなくなった。こうなると代わりに動き始めるのがチヌだ。今回はチヌに狙いを絞っていく。7月2日のライトブリームゲームの釣行をレポートする。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
当日の状況
前日前々日と、2日連続の雨である。ただ釣行日の朝には晴れ上がっており、またこの日はもっともよく水が動く大潮だったので、水潮の心配もないかと思っていた。
しかし――舐めてはいけない、雨の影響というものを。二日連続の降ったり止んだりの雨でも、ばっちりと水潮になってしまっていた。そして、この日で実に先月の台風から一ヶ月経っているのだが、まだ海は浮きゴミだらけ。雨風でそいつらが攪拌されて、またしても水面は目も当てられないほどの状況となっていた。
これはブリームゲームどころではない。マヅメにはマイクロメタルでなんとか浮きゴミを避けながらクサいところを探ったが、何もなし。
浮きゴミで釣りにならない
魚がどうこうというよりも、この日は釣りにならない状況。堤防際に浮きゴミが溜まりまくって、打つことができない。チヌはまたキワにつく魚なので、こればかりはどうしようもない。この日はどういうわけか釣り場に私以外の釣り人がいなかったので、タモを使ってちょこっとゴミをどけるなどの悲しい努力もしたが、潮でゴミは次々運ばれてくるのだからキリがない。
満月周りで、バチの姿もちょこちょこ確認できる。今年は1尾に終わってしまっているLTシーバスの追釣もどうかと心ひそかに狙っていたのだが、そんな場合でもなさそうだ。
局所を打って一枚
とにかく海の状況が悪い。一度ややこしいところにルアーを引っかけて、回収に10分近くかかってから、「今回は短期戦かな」と腹をくくった。何せ毎投ゴミが引っついて帰ってくるのだから、魚よりはゴミの相手をしているという感覚に近い。
だらっとした変化の少ない波止なので、その中でもチヌが着きそうな局所を絞ってルアーを投げていく。ここのところ調子の良い60mmのフローティングプラグに、急に魚が飛びついてきた。頭を振らないので、「ん?60cm弱のシーバスかな?」と思ったが、浮上してきたのはキビレ。まあ、こいつが本命なのだけれど。
約40cm。前回、タモ入れを横着してもっとでかいのを抜き上げようとしてブチンといった反省から、「たぶん抜き上げられるだろうな」と思いながらも慎重にランディングした。
ルアーがタモと魚の口と体というややこしいトコロに絡まっていて、外すのに五分ほど手間取ってしまう。ルアーの半分を丸呑みしている。チヌやキビレはおちょぼ口で、ショートバイトのイメージがあるのだが、こんなこともあるか。
しかし、そんなこんなでやっとリリースしたこのキビレくん、何やら、水面でじっと動かないではないか。タモに入れて優しく離してやったのだが……20秒ほどして蘇生して帰っていったので、ホッとした。チヌなんかは特にそうだが「面」が大きいので、うかつにポンとリリースすると水面にバチャン!と落ちて、死んでしまう。最後までジェントルにいこう。
ベイトフィッシュの姿もなし
水潮おそろしい。この後はぱたっとアタリが止まり、筆者も浮きゴミ相手の釣りに疲れて気持ちが萎えた。1時間半ほどやって、納竿。帰る道では、あー、あー、とぶつぶつ呟いていた。ボーズは免れたが、心楽しい釣りではなかった。こんな釣りもある、とカッコよく言いたいが最近はこんなのばかりだ。
気になったのは、先日まで大量に見えたベイトフィッシュが、この日は一切姿を消していたことである。この小魚に着いていた魚もいるはずなのだが……。ベイトの魚種まで特定しようと、タモですくってチェックするつもりでいたのだが、次へと持ち越しとなる。
ちょっと散々だったが……とりあえずチヌは1釣行に3枚を目標に、今後いきたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>
大阪湾奥