第39回のテーマは「流れ川で宙のヒゲセット」。まずは調査と肩慣らしで長竿のドボンで始めたが、朝の時合いが終了したのか、尻すぼみになってきた。これがもしかして宙への転向のサインなのか!?
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース編集部 関口)
へラが底から離れた?
5時30分、竿18尺グルテンセットの外通しでエサ打ち開始し、20分後にはファーストヒットを決めた吉田。
初アタリ後は毎投のようにウキが動き、空振りもあるがポツポツと追釣を決める。もはや魚がいるいないの確認はできたはず。そろそろ宙釣りに転向してもらおうかと考えていたが、記者からの指令を待つまでもなく釣況そのものが変化しつつあったようだ。時刻は開始から3時間後のこと。
「序盤こそ順調に釣れていましたが徐々に空振りやスレが目立つようになり、今はアタリそのものが少なくなってしまいました」
そう言えば、上流側で吉田と同じ釣りをしている常連の竿も立たなくなっていた。これはもしかしてモーニングサービス終了の合図か?
「いえ、魚はいると思うんですよ。現に糸ズレっぽい動きは時々ありますから」
つまり上ずったってこと?
「ボクのせいで上ずったのか、それとも自然と底から離れてしまったのか。いずれにしても今が宙に変える絶好のタイミングですね」
やるなら今だろってことかな(笑)。
「はい。でもこんな時間から宙をやったことがないんで、いささか不安が付きまとうのが正直な気持ちです」
そう言えばここで宙をやるのは、いつも午後からの半日とか夕方の短時間だって話してたね。
「そうなんですよ。とくに夕方はアタりっきりになりますから」
その時もセットなの?
「両ダンゴもさんざんやったのですが、なぜかこの川はヒゲ(トロ巻きセット)のほうがアタリが出やすくて型もいいんです」
それは明確に?
「ええ。歴然の差があります!」
トロ巻きセットは流れの影響が少ない
何でかなぁ?
「あくまで想像ですが流れの影響ではないでしょうか。両ダンゴだと、どうしてもある程度のハリスの長さが必要になりますよね。でも流れがあるから、なかなかハリスが張らない。張ったころには、すでに仕掛けはかなり流されています」
なるほど。トロ巻きセットなら、そもそも短めのハリスを使うからさほど影響がない。
「まったくないわけではありませんが、両ダンゴよりはダンゴを入れやすいと思うんです。上ハリスは長くても15cmでしょうし」
でも下エサは違うんじゃない?そもそもトロロが付いているとハリスは張りにくいのでは?
「そこはハリの大きさでカバーします」
何号を使ってるの?
「極ヤラズの7~8号を流れの強弱で使い分けます」
7号かぁ、それは確かに大きいや(笑)。
ヒゲだと型もそろう?
「あとはウキの大きさですね。ナジませるのがヒゲの基本ですから、小ウキはデメリットにしかなりません。流れもありますしね。ですが両ダンゴだと、ある程度上から触らせていかないとアタリは出にくいと思うんですよ」
なるほどね。つまりヒゲのほうが流れ川に即した釣りが可能ってわけなんだ。
「ええ。ビン沼程度の流れでしたら両ダンゴでも通用しますが、ここはもっと流れが速い川ですから」
確かに。ドボンでやっていてもウキが斜めになったり、時折シモられたりするもんね。
でもヒゲのほうがアタリが出やすいのは素人記者でもおよそ理解できたけど、何で両ダンゴよりも型がそろうの?
「これも想像の域ですけど、いったん深くナジませて戻し途中のアタリを狙っているからではないでしょうか。しかもチンケなアタリは取りませんし」
なるほど。それは言えているかもしれないね。野釣りの底釣りでもナジミ途中では放流ベラで、ナジんで戻してからのアタリだと地ベラってことがまれにあるからね。
まあいいや、ここであれこれ言っても始まらないから、そろそろ十八番をお披露目してもらおうか。
「任せてください!」
次回も「流れ川で宙のヒゲセット」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>
大堀川・柏ふるさと公園前
釣り台必携。