サビキで釣りすぎたイワシ。あの手この手で食べてもどうしても余ってしまうことも・・。そんな時にオススメなアンチョビの作り方を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
サビキで釣れるイワシ
もうすぐ初夏。暖かくなり釣りに出かける機会も増えてきますね。家族で釣りに出かけることになれば、やっぱりサビキで楽しく簡単に釣りをする家族も多いのではないでしょうか。
サビキで釣れるサカナといえばイワシやアジ、サバなどの小型の青魚がその代表でしょう。
初夏はイワシが多く釣れる時期でもあり、大きな群れに出会えれば1時間で100匹を超える大漁なんてもの珍しい話ではありません。そうなると、子供がたくさん釣って楽しくしている姿を見るとなかなか止めにくい親御さんも多いでしょう。
しかし、釣ったはいいものの大量のイワシをどうすればいいのか困る人も多いはず。
今日はそんな大量のイワシを活用した「アンチョビ」の作り方をご紹介します。
アンチョビとは
アンチョビとは、カタクチイワシやウルメイワシを塩漬けにして熟成させて、油に漬けたものです。
塩分が多く旨味成分が凝縮しているので、そのままはもちろん、料理に混ぜて調味料代わりに多く使われているイタリアやスペインなどヨーロッパを代表する食材です。
旨味がギュッと詰まっており、パスタやサラダドレッシングに幅広く使える便利な食材ですが、スーパーなどで当たり前のように購入することができるものの、意外とそう安いものではなく、たくさん使いたいけど大量に購入するのはためらってしまう人も多い食材です。
というのも、アンチョビは納豆などと同じ発酵食品のため作るのに手間と時間がかかる分、値段も下がりにくくなっています。
だったら、サビキで釣れすぎたイワシを使ってアンチョビを作ってしまおうではないか、というのがこの記事の趣旨となっております。
アンチョビの材料
アンチョビは本来、カタクチイワシやウルメイワシを使って作られますが、特に指定はありません。イワシの種類によって向き、不向きはあるものの同じように美味しく作ることができます。
マイワシを利用する場合のみ身をひらいてお腹の骨を除去した方が口当たりはいいですが、これも必須ではないため、めんどくさい人はイワシの種類に限らず、同じ工程で作ってみて下さい。
ただ一つ、アンチョビ作りは前述のとおり時間が掛かり(発酵に数か月)、その場で食べることはできないことだけはお忘れないようお願いします。
用意するもの
・釣ってきたイワシ
・塩(イワシの重量に対し25~40%程度)
・保存用のビン
・エクストラバージンオリーブオイル
以上の4点だけです。
アンチョビは本来保存食ですので、一度作ってしまえばしっかりと保存することで一年以上保存することができます。
アンチョビの作り方(塩漬け)
アンチョビの作り方は本当にとても簡単です。まず下処理としてすべてのイワシの頭、鱗、皮を除去し、三枚におろしましょう。
この時、内臓は絶対に捨ててはいけません。アンチョビの発酵を促しおいしく作るには、実はイワシの内臓に含まれる細菌がとても重要なのです。頭を落とし、お腹を開いた後のイワシは、少し気持ち悪い気もしますが、水で洗わず、そのままつかってください。
ここまでで大変な作業はほぼ終わりで、あとはビンへ上手に詰めていくだけです。
この時、イワシの身と塩の層を交互にしていきます。ビンの底に塩を振ったらイワシを並べ、塩を振りかけ、二段目にも身を並べたら塩を振り……といった具合に、イワシと塩を交互に積んでいきましょう。
本場では渦を巻くように並べますが、ある程度適当に並べても美味しくできるのがアンチョビの簡単で良いところです。並べ方はそこまで気にし過ぎなくてOKです。
塩の量はイワシの重量に対し25~40%程度とありますが、基本的にはイワシの身が塩で隠れるくらいを目安にしてください。塩の量が多ければ多いほど保存性が増しますが、でき上がりの塩分も濃くなりますので、自身で調整してみて下さい。
あとは3ヶ月程度、暖かすぎない常温で放置します。
アンチョビの作り方(オリーブオイル漬け)
3カ月が経過するころには、イワシの身から余分な水分が抜け、塩漬けとしてほぼ完成しています。
瓶の中にはイワシから出た水分が満ちているはずで、これがいわゆる「ナンプラー」という魚醤になります。
イワシの身と水分のちょうど倍量になる程度にオリーブオイルを浸し、軽く混ぜたら作業工程は終わりとなります。
味をなじませるためにここからさらに数か月寝かせる人もいますが、このまま料理に使うこともできますよ。