例年ゴールデンウイークを過ぎると福井県の越前海岸の海もベイトの量が増え、それを追うフィッシュイーターが接岸してくる。そんな越前海岸に車を走らせたのは5月6日。メインターゲットはシーバスと決めた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・小松大祐)
越前海岸でシーバス釣行
海岸にはホンダワラ類の藻が生育し、その中にバチと呼ばれている多毛類、ワレカラなどの甲殻類、ナミノハナなどの小型魚が生息している。それらを狙って夜になるとシーバスやメバルなどのフィッシュイーターが回遊してくるので、ベイトに模した小型のルアーを使うライトゲームが面白い季節となる。
ポイントは越前海岸のどこにでもあるようなゴロタ場で、前述した藻類が生育していることがキモとなる。ただし藻類が濃すぎるとルアーを投げても引っ掛かるだけで釣りが成立しなくなるので、藻場のすき間が主なポイントとなる。夕マヅメから夜が主な時間帯で、港湾などのバチパターンで使用するタックルをそのまま使用している。
当日のタックル
メバルロッドでシーバスを掛けると取り込みが難しくなるし、あまりにティップが硬いシーバスロッドだと、バイトが弾かれることもあるので、ティップが軟らかいシーバスロッドが良いと思う。
ルアーも港湾部でバチパターンとして使用するものが、そのまま活躍してくれる。表層を引ける細身のシンキングペンシルを使うことが多い。
ゴロタ場を広範囲に探る
まだ明るいうちに数カ所ポイントを回り、海況を確認していく。当日は強い南風が吹いていたので、風裏になるポイントを選んだ。手前はほどよく藻場が形成され、少し沖にはシーバスが回遊するような一段深いブレイクが確認できる。
磯場でのナイトゲームは日が暮れると真っ暗になってしまうので、明るいうちに下見をしておくことをお勧めする。
夕日が海岸線に沈もうとして水平線の空を赤く染め始めたころ、キャストを開始。ルアーは特にアクションさせる必要はなく、1秒に1回転程度のスローリトリーブで広範囲に探る。しばらくすると太陽が完全に水平線に沈み、辺りは薄明となった。この時間は瞬間的に魚の食いが立つので集中してリトリーブする。
マダカサイズ顔見せ
フルキャストで60m程度沖に飛ばしてリトリーブする。数回転巻いたところ、ロッドに魚信が伝わってきた。次の瞬間、沖にエラ洗いの波紋が見えた。「狙い通り!」とロッドを高く上げ、シモリや藻に巻き込まれないようコントロールする。
手前まで寄せてもまだまだ抵抗を見せるが、リーダーを持ち一気に岩場にずり上げる。姿を見せたのは、狙い通りのきれいなシーバスだった。サイズはこの釣りの平均的なマダカサイズだが、良好なコンディションで強烈なファイトを見せてくれたシーバスに感謝してリリース。