年間通してタイラバファンが最も熱くなるシーズンが到来。遊動式タイラバのパイオニアとして広く知られ、北九州市から全国のアングラーへ向けて新発想の釣りやルアーを発信し続けるガイドサービスセブンの宮崎晃船長に同行、乗っ込みマダイを追った。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 西岡宏祐)
乗っ込み期のタイラバ釣行
午前6時、北九州市小倉港からSEVENで出船。時期的に乗っ込みマダイシーズンで盛り上がる角島沖(山口県下関市)かと取材前は想定していたが、宮崎船長は釣り人なら一度は訪れてみたい広大なフィールド、玄界灘へと向かった。
タックル&ルアー
今回のタックルは、プロトタイプのロッド7.6ft、PEライン1号を巻いたベイトリール、リーダー5号、ポルポー/セブンスライド/海士80~120gを使用。
特徴はどのルアーも3本フックの多点掛け重視、バラシを大幅に軽減するため、取り込み率は格段に上昇する。フックの性能を最大限に発揮できるよう、スカートはかなり少なめでスカスカだ。
「HANSOKU」
そして、ガイドサービスセブンが開発に4年を費やし独自加工を施した生タコ足「HANSOKU(ブラック&レッド)」2本をフックにちょん掛けする。
強烈な臭いと味で魚を誘い、シリコン製のネクタイのようにアタっても途中で見切られることはなく、2回、3回とチェイスしアタックしてくる。
そもそもタイラバの形状はタコであり、あらゆる魚の大好物。もちろんテスト段階から現場での実績は申し分ない。インチクやテンヤにも使用できる。
釣り開始も潮流れず苦戦
曇天の玄界灘を走ること2時間、沖ノ島が近くに見える最初のポイントに到着し、パラシュートアンカーを投入。水深88~90mラインを徹底して狙うが、とにかく潮が流れずキャストしたタイラバもバーチカルに落ちる。
なぜキャストするかだが、真下に落とすと探れる範囲は必然的に狭くなるが、キャストすることにより広範囲を斜め引きしながら探ることができる。が、思い通りにタイラバを操作できない状況が続く。
というのも潮は0.1~0.3kt程度しか流れておらずタイラバに潮の抵抗が感じられない様子。せめて0.6ktくらい流れなければ魚の活性は上がらない。「潮が行かない」これは釣りではよく遭遇するシチュエーションだが、この状況をどう打開するかがキーポイント。
乗っ込みマダイは中層を意識
船長によると「乗っ込みマダイは浮きます。中層に出たぽつぽつとした反応がそれです。着底した瞬間からすぐにリフトし、40mいや30mまでは巻きます。かなり上まで追ってきます」と言う。
さらに「水深が深いほどなるべく小まめに回収して扇状にキャストした方がいいですね。ずっと同じところでリフト&フォールを繰り返すと、そのライン上ばかりを狙うことになります。アタリがなければそれが有効ですし、春はラインにゴミが付着するので、それも取り除いておかないと魚が掛かって巻き上げる時にガイドに詰まってサオ先が折れます」とのこと。