ひと昔前はイカダ釣り=クロダイだったが、今はさまざまな魚種をさまざまな釣り方で狙える釣り場となっている。今回はそんな多様化しているイカダ釣りの魅力を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
イカダ釣りの特徴
イカダというフィールドは、簡潔にいえば貸し切りでのんびり楽しめ、なおかつ魚影の非常に濃い釣り場だ。その多くは波穏やかな湾内に設置されており、台風でも来ない限り釣りは可能。大きく揺れることはまずないので、「船に乗りたいけど船酔いするんだよなぁ」という人には、まさにうってつけの釣り場といえるだろう。
また相乗りさせる渡船店がほとんどないため、1つのイカダを貸し切ることが大半。気の合う仲間同士や家族、カップルでのんびり楽しめるのだ。コロナ禍による釣りブームで、休日の堤防はどこも大混雑。イカダなら喧噪を離れて、思う存分サオを振れる。
足場の良さも、イカダの長所といえる。堤防なら海面まで高い釣り場もあるが、イカダは海面までの距離が非常に近く。バケツで水をくむのも楽だ。もちろんトイレ付きのイカダがほとんどで、女性でも安心して楽しめる。
他に堤防と違って、足元から水深が豊富だ。したがって釣れる魚のほとんどが、良型であることが多い。アジなどは堤防では豆サイズがほとんどだが、イカダでは刺し身にできるような25cmクラスだって狙える。
イカダで釣れる魚種
イカダでクロダイを狙うカカリ釣り師の悩みのタネの1つが、エサ取りだろう。ダンゴを打てばその集魚力たるやすさまじく、上層から底までびっしりエサ取りに占拠されることも珍しくない。
エサ取りの種類はアジやサバ、カワハギ、ベラ、キス、コノシロ、コッパグレ、フグ、アイゴなど。これらのクロダイ釣り師に嫌われているエサ取りたちが、今回の本命になるのだ。クロダイ釣り師からは嫌われても、ファミリーフィッシングには格好のターゲット。
全てが歓迎できる魚ではないが、イージーに釣れる魚が多く本格的な道具立てでなくとも、十分に楽しめる。
タックルをそろえよう
魚種ごとにサオやリールを変えていくのが理想だが、それはイカダ釣りにずっぽりハマってからで十分。まずは1セットそろえよう。オススメは海のルアー用のサオ。中でもエギング用とかチニング用、港湾シーバス用と銘打ってあるものが最も使いやすい。
長さは7~8ft(2.1~2.4m)前後で、ほぼオールマイティーに使える。サビキ、胴つき、チョイ投げと何でもこい。青物のナブラが出たら、ルアーだって投げられる。
合わせるリールは、ダイワなら2500番、シマノなら3000番クラスが最もバランスがいい。ミチイトは水深がある釣り場なので、伝達性の高いPEラインがお勧め。太さは1号前後。その特性上イト自体にコシがなく、穂先絡みなどのトラブルが起きやすいのが欠点だが、ナイロンラインやフロロカーボンラインなどの先イト(リーダー)を付けることで、トラブルを回避できる。
先イトの太さは3号ぐらいが妥当で、PEと先イトの結び方は電車結びで十分だ。
イカダ五目釣りのエサ
イカダで使うエサはさまざまだ。今回紹介しているような五目釣りではオキアミやムシエサが基本となるが、何を狙うにしてもコマセも大事になってくる。
そこでお勧めしたいのがダンゴだ。しっかり握って投入すれば、底でコマセを効かせることができるし、バラけた状態で上まきすれば上層で効かせることができる。
今では開封してそのまま使えるウエットタイプのダンゴが多く販売されている。集魚剤も最初から入っているので、何もしなくても集魚力は抜群だ。1袋は持っていくようにしたい。
他にさしエサとしてはカワハギならアサリ、根魚を狙うなら魚の切り身や大きめの冷凍エビなどもあるといいだろう。