いよいよ今年も暑い夏がやってきた。暑さを避けて狙える釣り場として、今週は標高900mに位置する山梨県南都留郡富士河口湖町の西湖を紹介しよう。
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西湖の概況
いよいよ今年も暑い夏がやってきた。ならば”ヤマ”はどうだろうか。山梨県南都留郡富士河口湖町にある西湖なら、標高は900mもある。
下界が熱帯夜でも西湖なら朝夕は涼しく、日中でもパラソル内なら快適に過ごせる。直近の釣況はイマイチだが、魚が回ってくればポツポツでも竿は曲がるので退屈はしない。今回は、より手軽に狙える陸っぱりに的を絞って紹介しよう。
西湖は富士五湖の一つで、釣り人からは親しみを込めて”ヤマ”と称されることが多い。「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」の「富士山域」の一部として、世界文化遺産の構成要素にも含まれる。
最深部は70m以上もあり透明度は約8mで、沈んでいくエサや上がってくる魚が丸見えの、いわゆるクリアレイク。また標高900mに位置しとおり、真夏でも朝夕は涼しい。平地の最高気温が35度以上を記録する日でも、西湖ならそれよりも4~5度は低くて湿度も少ない。
梅雨時の降雨が影響しているのか、例年の同時期に比べて水位が高い。通常ならうれしい誤算となるのだが、こと陸っぱりに限っては喜ばしくない。
湖岸ラインが広がってしまうため、適当な水深にウキを立たせるためには通常よりも長竿が必要になってしまう。
立ち込んで沖に出れば多少は解消するが、それにも限度はあるだろう。ただし西湖落しから勢いよく水を落としているので、このまま雨が降らなければ減水がすすんで湖岸線が縮まるはずだ。
現在の釣況はあまり芳しくない。ポイントにもよるが、いい日のいい人で10~20枚。ノーマルな日並みだと10枚も釣れればいいほうで、ポイントと時間帯を外すとオデコもあり得る。
夕方遅くなるほどアタリが増えるので、ウキが見えなくなるまで粘ればさらなる好釣果も期待できるかもしれない。朝マヅメよりも夕マヅメ。これが西湖の鉄則だ。
ポイント
まずは残念なお知らせから。陸っぱりの代表ポイントだった津原・鵜の木の駐車場(浜)がキャンプ客専用となってしまい、釣り人は止められなくなってしまった。釣り禁止ではないが、近くに駐車場がなければ狙いづらい。エサ打ちもされなくなってしまったので、無理してまで狙う価値は薄くなった感は否めない。
となれば、残された陸釣り可能エリアは限られる。直近で釣り人がよく入っているのは小ジラ、松屋前、光岩、長崎。光岩を除き、いずれも近くに駐車場・駐車スペースがあり、車から遠いポイントの人気は薄い。とくに駐車スペースが少ない小ジラは、早朝から埋まってしまうこともある。
そんな憂いを絶ちたいなら、オススメは長崎だろう。すぐ近くに漁協管轄の釣り人専用無料駐車場があり、ポイントへも階段で下りていける。
釣り方とエサ
西湖での釣り方とエサを紹介しよう。
宙釣り
陸っぱりだと底釣りのイメージが強いが、じつは宙釣りでも狙えるし、場合によっては底釣りを上回る釣果が狙える。とくにウキの周囲に魚影がチラホラ見えだしたら、宙で狙ってみる価値は十分にある。見える魚は食わない、というのは迷信だ。ただし一筋縄ではいかない。それは同湖がクリアレイクなため。
こちらから魚が見えているなら、魚からだって釣り人の姿が見えていても不思議ではない。よって警戒心が高く、エサの近くには来てもなかなか食いつかない。魚が寄りだして最初の1枚は釣れてもあとが続かないのは、魚がエサ(仕掛け)を見切ってしまうから。ならば見切られづらいように、工夫をすればいい。以下はその代表例。
(1)長めの竿を出す
魚にやる気があればカッツケでも食ってくるが、そうでなければ浅いタナほど警戒心が増す。これを少しでも和らげるには、タナを深くする(そのぶんウキが手前にくる)か、ウキを沖に立たせるのが手っ取り早い。
(2)糸は細く
細いほど理想だが、それでは掛けても取り込めない。所有する竿と取り込みの技量を考えて、最細クラスを選択したい。
(3)バラけさせない(両ダンゴの場合)
魚が水面直下に見えだすまでは寄せるためにバラケさせてもいいが、見えてきたらタッチは締め気味にする。軟タッチがすべてでなく、時には硬めのネバがいい時もある。落ちてくる粒子に反応させるのではなく、ダンゴそのものに興味を引くようにエサのタッチや大きさ、仕掛けのセッティングを合わせていきたい。
底釣り
すべては底の状態がカギ。根掛かり多発では釣りにならないし、ナジミ幅が安定しないようでは釣りづらい。そのため釣り台は仮置きにして、まずは良底を探ってから本格的に釣り台を設置したほうが効率的だ。
さらにこの時期は場所によって底藻が生える。藻があれば魚が絡みやすいが、逆に釣りづらい要因にもなる。藻穴・藻際を探すことができればいいが、見つからなければタナを切って藻面狙いにする。この場合、エサもセッティングも宙釣り感覚がよく、なるべくエサが藻の中に潜り込まないようにしたい。
竿は宙・底ともに15~21尺まで用意しておくといい。岸際から一気に深く落ち込む(底が見えなくなる)ラインがあるはずなので、そのやや先を狙うといい。よってポイントによっては、必ずしも長竿とは限らない。
<週刊へらニュース編集部/TSURINEWS編>