私が所属するメーカーが企画したルアーマゴチ講習会が、5月16日(水)、東京湾・深川木場の船宿で開催された。
講習会の模様
当日の天気は晴れ。
雨の心配はまったくなかったが、季節外れの偏西風が影響、後半に海は荒れる予報。
集まった12人は、ほとんどがルアー釣り経験者だが、沖釣りのルアーマゴチは初挑戦。
使用する専用ルアーに興味津々、出船前からテンション高め。
講師として私と3人のスタッフが乗船。
まずは基本的な釣り方や仕掛けの説明を行う。
7時に出船すると、思いのほか荒れ模様。
片舷側は波をかぶるのでキャビン内へ避難する。
航程1時間ほどでポイント着。
前方に軽くルアーをキャスト、着底後はスローに海底をズル引き。
これが基本。
「着底しましたか?」と聞くと「分かりません」の返答。
この時期は深くても水深10メートル前後。
通常なら28~35gあれば着底は分かるが苦戦。
風の影響で上潮が速く、正面に着水したルアーが着底するころにはあさっての方向に流されてしまい、引いてくる距離が取れない。
本来は潮の流れや風にまかせて、船を一定の速さでゆっくり流すが、この日は強風。
なんの釣りでも強風は大敵だ。
船が流される方向とスピードを把握して、キャストする向きと距離をアドバイス。
なるべく早く海底が取れる方法を伝える。
すると間もなくヒット。
標準サイズながらよく肥えた本命で、嬉しい船中第一号。
「どのように釣れましたか?」と聞くと「基本通り、ゆっくりズル引きしていると、コツコツという海底の感触とは明らかに違うアタリがあった」とコメント。
その後、より浅い場所や風裏にポイントを移動しながら終始、頑張ったが、反応は散発。
船中4尾で沖上がり。
東京湾のマゴチは、エサでもルアーでもそれほど多くのアタリがあるわけではない。
それだけに、釣れたときの嬉しさは倍増、失敗した時にはこの上ない悔しさが込み上げてくる。
しかも、食味がいい高級魚となれば、この釣りに魅了されるルアーマンは増えるに違いない。
今回は強風に悩まされ、釣りにくい状況だったが、参加者には釣れた一尾の価値を実感してもらえたと思う。
釣り方
ここからはマゴラバ(マゴチ専用のラバージグ)を使った基本的な釣り方を説明する。
★まずは基本をマスターしよう海底をゆっくりズル引きする。
難しい操作は何もないので初心者にも簡単。
ズルズル底を引くだけで小さな起伏にラバージグがぶつかり、勝手にマゴチが好むアクションを生み出してくれる。
大切なのは引くスピード。
速すぎるのはNG。
海底の感触が手にコツコツ伝わってくる程度が最適で、人が歩くスピードをイメージするといい。
船は一定のスピードで流れている場合が多く、リールを巻かなくてもいいときがある。
★感覚を研ぎ澄ましアタリを捉えよう
アタリはゴゴン!といきなり竿を引っ張られることがあれば、コンコンとわずかな違和感だけの場合もある。
神経を集中していれば明らかに海底とは違う感触を感じ取れるはず。
「魚かも?」と思ったら迷わず強くアワせよう。
小さなアタリの場合は、魚の重みを感じる程度まで待ったほうがいい。
魚が違和感を覚えてルアーを放してしまうことはあるが、早アワセはスッポ抜けの原因になる。
★魚が掛かったらひたすら巻く!
アワセはリールを巻きながら、自分の顔の中心に向かって竿を強く引き寄せる。
いわゆる、トルクをかけた巻きアワセ。
魚が掛かっていればズッシリとした重さが伝わってくる。
掛かったあとはひたすら巻き続け、一気にタモ入れまで持ち込む。
横にアワせたり、軟らかすぎる竿を使用したりすると力が逃げてしまい、硬いマゴチのアゴを貫通させることが難しくなる。
また、掛けたあとにリールを巻く手を止めてしまうのも貴重な魚を逃す確率が高くなる要因のひとつ。
「価値ある魚を仕留めるには、それなりの準備や経験が必要」と思うかもしれないが、初心者はレンタルタックルでOK。
「いま持っている道具で初めて挑むよ」という人は、必要になってくる竿の強さやイトの太さがあることを認識しておいてほしい。
なお、現在、ルアーマゴチは東京湾深川木場の吉野屋と金沢八景の太田屋で受け付けている。
<山梨・遠藤康太/TSURINEWS編>
▼この船について
吉野屋
エリア:東京湾エリア
出船港:深川