今年も河川やサーフからの釣りで活躍してくれた、ハゼ釣り用のタックル。今回は年末年始休みを利用したリール&竿のオススメメンテ法を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野博)
ハゼ釣りアイテムをメンテ
釣りに思いをはせながら、釣り道具の手入れは釣りの楽しみの一つだ。特に竿は、アングラーの腕の延長になってくれるものである。竿に対する考え方はアングラーによって様々であるし、現在の竿はかなりメンテナンスフリーになっているのも確かだ。
しかし、簡単な手入れによって次回の釣行が快適になり、竿の寿命も伸ばすことができる。また、自分が使っている竿の構造や特性の片鱗を知ることもでき、その点でも興味深いものがある。今回は、筆者がハゼ釣りに使用する竿(ミャク釣り、チョイ投げ用)を中心に、釣行後の簡単な手入れの方法をご紹介したい。年末年始のお休み中にぜひ、1年の汚れを落として新年の釣りに備えよう。
ミャク釣り用竿のメンテ手順
筆者がミャク釣りに使う竿は淡水用の竿だが、ここでは小継の振り出しコイ竿を例にとって、手順を紹介する。基本的にリールなしの、ノベ竿共通の方法であり、波止のサビキ釣りで使う振出竿も同じ方法で手入れできる。
振出竿は穂先から元上(手元のすぐ上の継ぎ)までのパーツが元竿に納まる一本仕舞いの構造になっている。
竿を水拭き
最初に尻栓を緩めて穂先~元竿までのパーツを順に取り出す。
この後、パーツを1本ずつ、ぬるめのお湯で絞った柔らかいタオル(使い古したもので良い)などで拭いていく。このとき手元から先に向けて、つまり径の太い側から細い側に向けて、一方通行で拭いていく方が良い。
その理由は、特に穂先などの繊細な部分や、極細の軟調の竿などで、往復させて拭き取ると、パーツを折ってしまう可能性があるためだ。和竿には基本的に振り出しの竿はないが、並み継ぎのヘラブナ竿などでも、そのような手入れの方法が推奨されている。
陰干し
各パーツを水拭きした後は、部屋の中で陰干しする。
乾燥したら今度は分解した時とは逆に、元上から順に元竿に納めていく。釣行後のこのようなメンテナンスにより、振出竿でよく起きる不具合、例えば継ぎ目に細かい砂などが噛んで、引き出しにくくなることはかなり防止できる。
注意・補足点
また、ハゼ釣りの場合は汽水域で釣るので、竿に塩分も付着している。この塩分が細かい結晶になって竿の表面の塗りを傷つけることもあり、ぜひパーツの分解拭き取りをオススメしたい。
なお、注意点として、穂先を抜く前には、リリアンの結びを解くことが必要だ。小さくて見にくいが、繊細な部分なので注意深く行うことが必要である。
今回紹介した竿は10本継ぎで、穂先のみがカーボンのソリッド(ムク)、元竿から2番(穂先の次)まで9本はチューブラー(中空構造)である。また本来コイ竿なので、各部材はヘラ竿などに比べて肉厚になっている。振出竿の各部材をじっくり観察する機会はこうしたメンテナンスの時ぐらいではないだろうか。