「せっかく船釣りをするなら、高級魚を釣りたい」と誰しも思うのではないだろうか?今回はそんな釣り初心者に向けて、船釣り入門にお勧めの高級魚を3つ紹介しよう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部)
船釣りで高級魚を狙おう
上級者向けのイメージもある「船釣り」。しかし、船長が釣りポイントまで連れて行ってくれてサポートまでしてくれるので、実は初心者にこそお勧めできる釣り方だ。
しかも船釣りならば、陸からはなかなか釣れない「高級魚」を狙うことができる。せっかく釣りをするからには、お土産に喜ばれる高級魚を狙ってみてはいかがだろうか?
早速、船釣り入門にお勧めの高級魚を3つ紹介しよう。
「魚の王様」マダイ
世間一般で、高級魚と聞いて一番に思い浮かべられるのはマダイなのではないだろうか?そして、釣りをするなら誰しも一度は釣ってみたいと思うターゲットなのではないかと思う。
マダイは初心者でも狙える
マダイは「めでタイ」という語呂合わせから、祭りや祝い事の際には欠かせないものとして、昔から珍重されてきた魚。また、きれいなピンク色の魚体には青い斑点がちりばめられ、コバルトブルーのアイシャドウをした姿は「魚の王様」と呼ぶにふさわしい威厳を持っている。
勿論、食味は満点。刺し身、塩焼き、煮付け、鯛めしと様々な調理法を持つことからも、日本の魚食文化の中枢を担う魚であることが推し量られる。刺し身一つをとっても、新鮮な身のコリコリとした弾力を楽しむもの、熟成させてねっとりとうま味を増したもの、昆布に挟んで身を締め、うまみを加えたものと奥が深い。
多くの方が「マダイなんてそう簡単に釣れるものではないでしょう?」と思われるかもしれないが、それは陸っぱりでマダイを狙う場合の話。船釣りにおいてはかなりポピュラーなターゲットで、全国でいろいろな釣り方で狙われている。もちろん、初心者でも十分攻略可能なターゲットでもある。
タイラバがお勧め
今回初心者にお勧めするマダイの釣法は、「タイラバ」。釣りをしない人にはなじみのない釣りだと思うが、地域によっていろいろ釣法の異なるエサ釣りに対し、ルアーを使う「タイラバ」は全国どこででも通用する釣りである。
そして、釣り方もいたって簡単。タイカブラと呼ばれるオモリ、ネクタイ、スカート、ハリが一体になったルアーをサオ下に落とし、着底したら一定の速度で巻き上げてくるだけ。
アタリが出ても何事もなかったかのようにリールを巻き続けていると、そのうちサオ先が引き込まれる。そうなったら一度大きくサオをあおってハリ掛かりを確実にし、後は魚の引きを楽しみながら巻き上げるだけだ。
この釣りでは最初のアタリを無視して巻き続けるというのがミソで、「アタリ、即アワセ」の他の釣りになれた人より、初心者に向いている部分も多い。
とはいえ、釣れる人と釣れない人が出てくるから面白い。その日の当たりカラーや巻き上げ速度などが釣果を左右するというわけだ。単純だけど奥深い「タイラバ」で、マダイ狙いにぜひ一度挑戦してほしい
白身が絶品「アマダイ」
居酒屋や小料理店で「グジの西京焼き」なる料理を食べたことがある方も多いと思う。ほろほろとほどける白身は甘く、香ばしい味噌の風味と相まって、個人的には日本酒の進む魚料理の代表であると考えている。
この「グジ」どんな魚かご存じだろうか?実はこの魚、正式和名「アマダイ」という魚で、しっかり処理されたものは、鮮魚店でもかなりお高い高級魚である。
アマダイとは?
アマダイは、名前に「タイ」とあるのでマダイの仲間と思われがちだが、いわゆる「あやかりダイ」の一つで、種族的にはキツネアマダイ科アマダイ属に分類されるそうだ。日本にはアカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイの三種がいるが、個体数の関係か釣れてくるのはアカアマダイが多い。
先にも触れたが食味が最高の魚で、定番の西京焼き、ウロコを付けたまま油で揚げる松笠揚げ、アラは酒蒸しと、余すところなく食べられる魚でもある。特にパリパリの鱗としっとりジューシーな身を味わえる松笠揚げはぜひ挑戦してほしい逸品だ。
「ボッコ釣り」がお勧め
このアマダイ、最近では日本各地で釣りのターゲットとなっており、釣り物としても注目されていることもあり、専門に狙う船が見つけられると思う。とはいえやはり本場は京都だろう。今回は京都・丹後半島で行われている「ボッコ釣り」を紹介しよう。
ボッコ釣りとは、テンビンや胴つき仕掛けを使い、オモリで底をボッコボッコたたくからボッコ釣りと言われているそうだ。水深60~100mくらいのポイントで、オモリは60~80号、エサにはホタルイカやアオイソメを使う。狙いはもちろんアマダイだが、外道としてレンコダイがよくヒットするので、初心者も退屈せずに楽しめるはずだ。
釣り方は簡単。オモリで底をトントンとたたいて砂煙を上げるだけ。この砂煙に寄ってきた魚が、エサを見つけてヒットするという寸法だ。また、底をたたくのには砂煙を上げる以外に、仕掛けを動かしてレンコダイを避けるという意味合いもあるそう。ポイントにはレンコダイほどアマダイは居ないのが常なので、しっかりたたいてアマダイをゲットしよう!