伊藤さとしのプライムフィッシング【コウテンで好転させよう：第2回】

「そうだね。基本的には両ダンゴ用。しかもチョウチンから浅ダナとタナも問わない」

「マルキユーが発売している麸エサの性質表って見たことある？」

「そう。コウテンはつまりこのグラフのタテと横の線が交わる交点にあるんだよね。つまり比重もバラケ性も完全な中間点だってこと」

「まあ、そういうことだね。このグラフを見るとGTSとかパウダーベイトヘラ、それに藻べらなんかもグラフ上のタテと横の交点付近にあるんだけど、完全な交点ではないんだよ。そういう意味で言うと、コウテンは完ぺきに中間的な性質を有しているってことになるよね」

「もちろんだよ。エサがまとまりやすくて、しかもバラけさせることもできる。この二つは正直言って相反する要素なんだけど、そういうエサをより簡単に作れるようにした。これがコウテン最大のウリだろうね」

「おお！たまにはいいこと言うね。まさにその通りだよ。それとねコウテンにはもう一つ、どうしても加えておきたかった性能がプラスされているんだよ」

「軟タッチだよ。近年硬いエサで決まるヒットパターンは少ないのが現状でしょ。それに多くの人は手水を打ちたがる。ところが軟らかいエサは硬タッチと比べればエサ持ちが悪い。その弱点を克服して、たとえ軟タッチにしてもハリの懐にエサの芯が残りやすいようになった。つまり食いごろのエサを作りやすくなったってことだよね」

「そうだね。つまりコウテンは”寄せながら釣る”という両ダンゴの基本セオリー的なエサにしやすい性質を持っているってこと。でもだからと言って、単品では限界があることもある。それを補うのがコウテンに対してブレンドするエサなんだよね。基本（ベース）はできているから、あとは足りないものを足すだけでいい。考え方がシンプルになるから、エサの配合に迷わずに済むし、ダメだった時のリセットもしやすいはずだよ。まずはパッケージの裏書き通りにやってみて、そこから自分なりのブレンドを見つけてみてはどうだろう。それを見つけるのもヘラ釣りの楽しみだろうしね」