初心者でも楽しめるちょい投げ釣り。様々なタックルを流用できるのも魅力の一つ。今回は、古いルアーロッドのガイドを交換してちょい投げロッドにリメイクする方法を紹介。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・牧野博)
投げ釣りのガイドラッピング
投げ釣りの世界では、ガイドなしの並継ザオが昔からラインナップされている。これは、キャスターが自分の体力や好み、投げ方や釣り方などに応じて自分でガイドをラッピングするようにした製品で、他の釣りジャンルにはあまり見られない。
スポーツキャスティングの世界では、ほとんどすべてのキャスターがガイドラッピングを行っているし、コロダイやタマミなどの大物狙いのキャスターはミチイトに太イトを使うので、口径の大きいオーシャンガイドを並継ザオにラッピングすることもあるようだ。
最近では専門のプロショップもあり、ある程度の費用はかかるが、きれいな仕上がりに感動するはずだ。そして、そこまでのフィニッシュは期待できないが、自分でガイド交換をすることは可能である。
私も素人仕事ではあるが何度かガイドラッピングをやったことがある。手先を動かす手間のかかる作業であるが、自分好みのサオが出来上がり、キャストしてミチイトがスムーズに放出された時など、なかなか愉快なものである。
そこで今回は、チョイ投げに使っている少し古いルアーロッドのガイド交換を行った様子をリポートする。
サオは、ダイコーのプレミアPMRJ湾岸103。私はルアーの経験がないので詳細はよくわからないが、ジギングロッドの比較的軟調のモデルではないかと思う。このサオは中古で購入したものであるが、オモリ15号くらいまでならよく飛ぶし、バランスがよくて扱いやすいので、キスやハゼのチョイ投げの時のメインロッドにしている。もともとはオーシャンガイドがついていて、これを取り外し、ライト級の並継投げザオのKガイド7点付けにかえることにした。以下にその様子をまとめてみた。
準備するもの
・サオ:ダイコープレミアPMRJ湾岸103(ガイド装着済みのサオ)
・ガイド:チタンフレームのSiC Kガイドの7点セット(釣具店で並継投ザオ(スピンパワー365FX+の部品取り寄せの形で購入)
・その他:ライター、サオ巻き糸、小型のニッパー、ハサミ、接着剤、2液型ウレタン塗料(クリア)、塗料のうすめ液、うるし用の筆、うるし用のパレット、ウエス、水砥ぎ用のサンドペーパー
ガイドの取り外し
ガイドのコーティング部分をライターで軽くあぶる。直後に、小型のニッパーを使って巻きイトの一部を切り、そこからイトをほどいていく。やけどに注意。
巻きイトにはコーティング剤が含浸しているのでやや力が必要だが、あまり一気に無理をすると下地の塗装を傷つけたり、繊細なサオだと素材にダメージを与えてしまったりすることもある。じわじわと気長にほどいていくことが必要である。
サオの表面の研磨
ガイドを外した後は、コーティング剤の跡が残っているので、水砥ぎのサンドペーパー(今回は1500番を使用)で、ぬるま湯をかけながらその部分を少し研磨する(あまり強くこすりすぎないように注意)。水分をふき取って陰干しする。
ガイドの仮止め
ガイドの位置決めは非常に重要なポイントで、本当に最適な位置にセットするのは、正直プロの技術者の方でないと難しいと思う。私は、たとえば、投げザオのカタログなどで、並継ザオのガイドポジションが記載されている場合にはそれを参考にして少し調節したり、前のガイドポジション(コーティング剤の跡でわかる)を目安にしたりしてガイドの位置決めを行っている。
ガイドの位置が決まったら、そこにガイドを仮止めする。接着剤で止めてもいいし、粘着力の強い薄めのメタルテープなどでもいい。
理想的には、粘着力の強いテープでガイドが動かないように仮止めしておいて人のいない安全な場所(たとえばシーズンオフの河口の護岸や砂浜海岸など)で実際海に向かって軽くキャスティングしてみて、ガイド位置を微調整するのがいいが、投げザオなら、メーカー推奨のガイド位置に取り付ければほぼハズレはないと思う。
元ザオに近くなるにつれてガイドとガイドの間隔が次第に広くなるように取り付けるのはセオリーといえる。今回は、外す前のガイドのポジションから、少しずつ下にずらして仮止めした。
ガイドのイト巻き(ラッピング)
いよいよイト巻きに入る。まず、巻きイトを10cmほど短く切ったものを用意する。これが、抜きイトになる。
最初は、イトの端を巻き始めから少し内側(ガイド中心側)にボンドなどで軽く止めて、巻き始める。巻き初めのイトの端を上から少し強く押さえるような感じで巻いていく。イトを巻く時はイトにテンションをかけながら隙間ができないように、緻密に巻いていくのがポイント。少し根気がいる。
巻き終わりの4~5mm手前で抜きイトのループをガイド中心に向けて置き、その上から、さらにイトを巻いていく。必要なところまで巻き終わったらイトを切り、そのイトの端を抜きイトの輪の中に通す。
巻きイトが緩まないように注意しながら、抜きイトの端(輪になっていない方)を指先で強くつかみながら同じ方向に引くと、巻きイトの端が巻かれたイトの途中から出てくるので、少し引きながらハサミで切る。ダブルフットのガイド(今回)なら、ガイドの足のもう一方も同じようにイトを巻くと、ガイドのイト巻きはできあがりである。
なお、巻きイトの端を抜きイトで抜くとき、できるだけガイド取り付け面の裏側で抜くこと。こうするとガイドを通るミチイトが巻きイトの端に接触してトラブルを起こすことが少なくなる。
穂先のトップガイドは、穂先に接着剤などをつけてパイプ部分に入れてゆく。しっかり入るところまで差し込むことが必要。
トップガイドのパイプ部分の口径が少し大きい場合は、極細のイトで下巻きしてから差し込むといい。その後、巻きイトが必要な部分はガイドと同じようにイト巻きをする。
各ガイドの向きの調整
ガイドのイト巻きが出来上がったら、穂先を手に取って、元ザオに最も近いガイドの中心からトップガイドの方をのぞいて、ずれているガイドがあれば指で動かして調節し、ガイドがきれいに並んでいるようにする。一番手前の(元ザオに近い)ガイドから視野の円の真ん中にトップガイドを見たとき、すべてのガイドが左右対称に並んで見えている状態にする。