3月5日、今回の釣り場はチヌ(メイタ)が釣れることで有名な福岡県京都郡・苅田港の南防波堤だ。大漁節のフカセ釣行を報告する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース APC・浦野泰弘)
苅田港南防波堤でフカセチヌ釣り
苅田港南防波堤の釣り場の特徴だが、足元はすべてテトラなので磯グツとライフジャケットは必ず着用すること。
個人的な意見だが、ここでチヌを釣る時は満潮からの下げ潮で、潮の流れは蓑島方面(左から右)へ流れている時を狙うようにしている。次にまきエサだが、私はチヌパワー激重にオキアミ生を1/8角入れ、少し硬めに練り込んだものを使用する。特徴は、抜群の重さで海底までバラけることなく沈下する。チヌ釣りで最も重要視していることは、まきエサをチヌがいる海底まで一気に沈め、その場にポイントを作ることだ。
仕掛けはライン落ちが抜群に良く、また遠投性、視認性が最高のウキであるLS構造の瞬黒5Bに、あずき水中マイナス3Bをセット。ハリス1.2号を2ヒロ取り、中間にガン玉G2を打ち、ハリはチヌバリ2号を使用した。なお、LS構造とはラインが落ちる時のミチイトの摩擦抵抗を限りなく少なくするウキのことを言う。エサはいつものオキアミ生の頭と匹を切り、オリゴ糖・ミリン・酒粕を別々にスプレーしたものを使う。釣り方はいつものABC釣法で、A(別図参照)はまきエサと仕掛けの投入点、Bはチヌが釣れる場所、Cは仕掛け回収点だ。
いざ実釣。釣り場には午前7時ごろ到着。波止からテトラに降りる時は、1.8m以上のハシゴが必要なのでお忘れなく。
1時間アタリなし
まず、足元の良いテトラで釣座を構え、5分間まきエサを打ってポイントを作る。次は正確なタナ取りだ。ハリに1号のゴム管付のオモリをセットしポイントに投入すると、タナは6mだった。ポイントA点は左45度で20m先だ。まきエサと仕掛けが同調するところをB点と定める。
釣り始めて1時間がすぎてもまったくアタリなし。つけエサもハリに付いたままだ。こんな時は気分転換が必要なので、もう一度、冷静になってよく考えてみる。ポイントはここでいいのか、タナは合っているのか、仕掛けに何か不備な点はないか、などなどよく考え再度調整し直す。
時合い到来でチヌ2連発
10時ごろになると、つけエサが取られるようになってきた。やっとチヌの時合いがきたようだ。釣り始めて2時間も経っていた。A点に少し多めのまきエサを打ち、仕掛けがB点の近くを流れていったその時、ウキが少しもぞもぞと沈みながら流れていき、10cm程度沈んだまま動かなくなった。チヌが口でつけエを確認している状態なので、絶対に早アワセはしてはいけない。水温が低下しているため、チヌはエサを口にしてもなかなかすぐには食い込まないのだ。そのため、じっくり食い込むまで待つことが大切だ。もういいだろうと、3つ数えて手首でアワセを入れた。すると、サオは大きく曲がり、ずっしりとした重量感あふれる手応えがサオ全体に伝わってきた。魚は沖へ沖へと首を振りながら必死に逃げようとするが、そろそろ勝負に出る。強引に引き寄せ、チヌが海面に浮いてきた瞬間を見計らって一気にタモですくった。結果、35cmのチヌが釣れた。
アタリがあったB点から、同じコースで仕掛けを流す。すると、今度はB点の手前でウキがゆっくりと沈んでいった。少し待って、イトフケを取って手首で軽くアワセを入れる。これもサオに乗った。引き方からして、先程のチヌよりもかなり大物のようだ。タモに収まったのは37cmのチヌだった。しかし、無情にもアタリは長く続かなかった。原因はカモメとカモがまきエサのオキアミに集まってきたからだ。これではせっかく集めたチヌが逃げてしまう。