船のカワハギ釣りでは、今や必携となっているアイテムが『中オモリ』。仕掛けの上部に付ける事で、エサに多彩なアクションを加えられ、魚にアピールできる。カワハギ釣りに限らず胴突き仕掛けなら試してみる価値あり・・・の中オモリ使用法を紹介したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村計吾)
中オモリの役割
中オモリを多用する釣りジャンルの一つに船のカワハギ釣りがある。まずはカワハギ釣りを例に挙げて中オモリの役割を紹介してみたい。
1、仕掛けを揺らせる幅を大きくする
カワハギ仕掛けの中で中オモリを打つ位置はまさに多彩だ。仕掛けの上部でも、一番上のハリよりも30cm上に打つのか、1m上に打つのかで、仕掛けを動かした時に大きくその動きがかわってくる。
また、中オモリを打つ位置は、仕掛けの上部に限らず、エダスの付け根付近、エダスとエダスの間など、打ってはいけない場所なんてないほどのバリエーションがある。
オモリを打つともちろん、重量が増すので竿先でたたいたりの動作を加えると、何も付けていない仕掛けに比べると、オモリが振られることで仕掛けの振り幅が大きくなる。つまり、エサが大きく動くのでそれだけアピールできるとともに、振り幅が大きければ仕掛けを動かしている間にエサが取られるのを防ぐこともできる。
2、仕掛けを弛ませる
胴突き仕掛けの場合はオモリが最下部に位置し、その上に仕掛けが立って、途中からエダスが出るスタイルだが、投げ釣り用テンビン仕掛けのように、オモリより下に仕掛けがぶら下がっているのとは違い、あくまでもオモリが最下部、エサは通常、底から少し上にある。
ただし、魚の食いは常に中層であるだけではなく、カワハギのように底のエサを拾うような食い方をすることもあるのでそんな場合は胴突き仕掛けだと対応させ難い。
そこで効力を発揮するのが中オモリで、仕掛けの上部に付ける事で道糸を弛ませると、オモリの比重によって仕掛けを弛ませ、底へ這わせることもできる。胴突き仕掛けながら、さしエサの位置設定が自由にできるのだ。
仕掛けを弛ませることで、魚がさしエサを食った時に、違和感を感じることなく食い込んでくれるのも弛ませる釣りの特徴だ。
他の釣りへの応用
さて、カワハギ釣りにおいては、まだまだ中オモリの効用は多いのだが、胴突き仕掛けならば、この理論を応用すれば魚をずいぶんと食わせやすくなる。
ガシラ釣り
大阪湾などでは、ガシラも胴突き仕掛けで狙う事が多い。これは船釣り、波止釣り共通なのだが、ここでも実は中オモリを使う事で攻め方に幅ができる。
まず中オモリを打つことで仕掛けの振れ幅が大きくなるので、上下の誘いに加えて、水平方向への大きな振れでもアピールできるのが特長だ。
そして、海底に依存しているガシラは、活性が低ければ、なかなか海底から離れてエサを取りに来ない。そんな時に中オモリを利用してさしエサの位置を下げていくことでガシラの目の前にさしエサを持っていける。
ほんの少しだけの時間、仕掛けを下げることで再び持ち上げればガシラが食っている・・・と言うことも珍しくない。
ただし、根の粗い場所ではあまり仕掛けを海底に寝かせてしまうと根掛かり多発の現任にもなるのでご注意。
アナゴ釣り
アナゴ釣りに限らず、実はテンビンでのチョイ投げなどで狙うターゲットも胴突き仕掛けに中オモリを打つことで狙える。そして、胴突き仕掛けの最大のメリットはオモリよりもエダス、さしエサが上にあることで、アタリがオモリを介さず比較的ダイレクトに伝わる点だろう。
アタリが分かりやすければ、その先はさらに中オモリを利用して弛ませることもできるから、魚の食い付きとの駆け引きが楽しめる。
深海釣り
深海釣りでは10m以上の長い仕掛けでアコウダイなどを狙うことが多いが、この時も海底をできるだけトレースすることによって、連釣を狙うことができる。
ただし、深海釣りの場合はあまり仕掛けを寝かせるとオマツリの原因にもなるので、同船者が数少ない時や、自分が明らかに潮下に座っていて、仕掛けを流し込んでも周りに迷惑がかからないことが前提となる。
3つの釣りで中オモリの効用を説明したが、胴突き仕掛けを使用する、ボトム中心の釣りの場合には、中オモリを使用することで釣りの幅が大きく広がるので、皆さんも自分なりの中オモリ活用法を見いだして欲しい。
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>