伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「粒戦細粒はわき役なの?」。今回は宙の両ダンゴにも使える方法を紹介しよう。
(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
用途多彩な粒戦細粒
『粒戦細粒』のパッケージ(裏書き)には次のように書かれている。
「用途多彩」具体例として
①セットのバラケに
②両ダンゴに
③グルテンにまぶして
④『粒戦』の調整に
⑤食い渋りに
これを見て驚いた人も多いのではないか。①は基本的な使い方だ。③も厳寒期の両グルテンで威力を発揮するエサ使いであり、広く釣り人の間でも浸透している。だが②や④はどうか。「えっ、そうだったの?」と感じなかっただろうか。少なくとも記者はそう思った。両ダンゴに『粒戦細粒』。違和感ありありなのだが…。
両ダンゴに粒戦細粒
「そもそも両ダンゴのシーズンになると『粒戦細粒』だけでなく、『粒戦』そのものを準備していないことのほうが多いよね。つまりエサバッグの中に入っていない」
それはやはり、あえての必要性を感じないからでは。と言うのも長年、伊藤さんをはじめ数多くのインストラクターを取材をしてきましたが、両ダンゴに『粒戦細粒』を入れた人は記憶にないですし。
「そりゃあ記者さんの経験値不足だな。たしかに両ダンゴのシーズンにはあまり目にしないエサけど、まったく使われないわけじゃない。底釣りなら盛期でも使用している人を見かけるしね」
でもなぜ裏書きには、両ダンゴにもと書かれているのでしょうか?
「それはもちろん、必要とするシチュエーションがあるからでしょ」
粒戦細粒を必要とするシチュエーション
具体的には?
「ここ一番でエサを重くしたい時かな。たとえば、小分けしたダンゴエサに『粒戦細粒』をパラッと差し込む。これだけでエサに比重がつくからね」
『ダンゴの底釣り夏』や『ペレ道』ではダメですか?
「麸系だと、たとえどれほど重いエサでも、練り込まないかぎりエサの舞い上がりは避けられない。でもペレット顆粒なら、練らずとも重くなる。つまりエサの開きにあまり影響を与えず、重さだけを加えることが可能になるってことだね」
なるほど。それは面白いですね。
重くしたいが練りたくない場面に有効
「使用例としての代表格をあえてあげるなら、やはりペレ宙じゃないかな。ペレット特有の重さと集魚力を生かしつつ、重さだけを加える。逆の見方をするなら、余計な麸エサは入れたくないけど重くはしたい。そんな時に『粒戦細粒』を生粒のまま、小分けしたエサに適量差し込めばいい。つまり即効性があるってことだね」
何だかそう言われると、使わないほうがもったいない感じですね。
「でしょ。だけど正直言って、エサをそこまで重くしたくなる場面って意外に少ない。だからシチュエーションとしてはかなり限定される、ってことなんだと思う」
単純に今のエサをすぐに重くしたい。だけど練り込みたくはない。そのような場面では使ってみて損はない。そういうことですね。
集魚力がジャマになるシーンも
「そうだね。ただしペレットの集魚効果が逆にジャマになるシーンもあるから、そういう時は使い方を考えたほうがいいかもね」
ジャマになる?
「たとえば、ジャミが多いとかね。あとは余計な魚をあまり寄せたくないとか。ペレットの集魚力はそれほど強力なものだから、ジャミの多い釣り場では使い方に注意したほうがいいよね」
次回も「粒戦細粒はわき役なの?」です。
【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】から読む。
【粒戦細粒はわき役なの?:第2回】から読む。
<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>